六彩 2022-08-28 11:47:18 |
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これでも厳選したんですよ、十五種類もあったから悩みに悩んで……
(仕切りで分けられたスペースに収まって自らを主張するケーキ達は、宝石さながらに綺麗だ。しかし先輩はそれを一瞥しただけで、身を乗り出すことも、ジュレに負けず劣らず目をキラキラさせることもなく、二人で食べ切るには多い数量のことに言及してくる。宝石を前に、値段ばかり気にしているような趣の無さだ。大袈裟に苦渋の表情を浮かべ、身振り手振りも交えて、わたしがいかに悩んだのかということを先輩に伝える。何故そこまで悩んだのかといえば、両親がパティシエで、自身もパティシエ志望であるサラブレッドの先輩にいつでも気軽にケーキの再現をお願いしようという魂胆からなのだけれど、それを悟らせぬよう両手の拳を体の前に持って来ると、先輩の瞳をじっと覗き込んでかわいい後輩アピールを試みて)
先輩の顔を思い浮かべながら、一生懸命選んだんです……!
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