東雲学園　/　人数無制限　

　　>16 　｜　有栖川 蘭

もしかしてあんた、他人の嫌がる顔が好きとかいう特殊な性癖でも持ってんの？つうか態々捕まえとかなくても逃げないんだけど。（　少しでも自分の名前を好きになって欲しいという彼の願いも虚しく全く本人には届いていない様子。それどころか深読みしすぎた結果、人の良い彼には有り得ないような答えに辿り着いてしまい躊躇うこと無く真意確かめて。涼しいサボり場所とやらに案内してくれる彼の背後を大人しく着いて行く最中、掴まれた手首一瞥しては不思議そうに後ろ姿見詰めて。周りからは恐らく一匹狼という印象がついているだろうが実際のところは一人が好きというよりも人が寄ってこないという言い方が正しく、偶には一人じゃないサボり時間もありかなと想像膨らませていればある教室の前で立ち止まった彼。人気の無い様子を見れば此処が彼の言う快適なサボり場所なのだろうか。　）そこに行ったらあんたに会えんの？──…あ、着いた？




　　>17 　｜　東雲 琥太郎 先生

あんただって、──…なあ、暫く保健室使わせてくんねえ？此処暑すぎて死にそうなんだわ。他の生徒居るならそこら辺の空き教室使うからさ、誰も居ねえならちょっと休ませて。（　サボりだと指摘されれば図星ではあるが勤務中なのに此処にいる彼だって同じ境遇だと言い返したくて口開くも、反論する前に彼の方からサボりを認めたらしく大人しく閉口して。丁度快適なサボり場所を探そうとしていた所に彼が現れたため、ここぞとばかりに保健室をサボり目的で利用しようと悪巧みを。基本は先生相手にサボり場所を尋ねたところで叱られるだけだが彼ならば許してくれるのではと甘え、滴る汗により肌に纒わり付くカッターシャツの襟元を掴み気怠げにぱたぱたと仰いで熱を冷まし乍ら問い掛けて。　）




　　>18 　｜　矢川 京治

まじ？さんきゅ。──…うわ、何これうんま。これを自分の好きな時に作れて食べれるってすげえ幸せじゃん。（　目の前のお弁当しか目に入っていないため悪意は無いが彼からの挨拶は耳に入っておらずスルーして。遠慮も無しに差し出された色の良いタコさんウインナーに齧り付けば、味わうようにゆっくりと幾度か咀嚼した後想像を絶する味わいに感動して。料理どころか家事すら真面に出来ない自分にとってこんな高度な食物を作れる彼はかなり偉大に映っており尊敬の念を抱くと共に毎日これが好きなだけ食べられる事実に羨望の眼差しを向けて。　）