匿名さん 2022-08-02 08:33:24 |
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……機嫌いいな。何か良いことでもあった?( 一口大に切り分けられたフルーツタルトが、フォークに乗って口元まで運ばれる。手ずから食べさせてくれるということなのだろう、好意を分かりやすく表に出すことが少ない彼女にしては珍しいことだった。待たせて気が変わらないうちにと、フォークを支える彼女の手を上から包むように握る。そして、そのまま食べやすい位置まで操って動かすと、一言も発することなくぱくりと口の中へと入れ。途端広がったフルーツ特有の甘味と酸味と苦味を味わうのもそこそこに、緩やかに口角を上げれば、欲しい返答の明確に決まった誘い水のような問いを投げ掛けて。ぴたりと寄り添うように預けられた彼女の体から、服越しに体温が伝わって、触れ合った場所をじんわりと温める。あたたかくて、やさしくて、あまい空間。こういう瞬間が〝幸せ〟なんだろうな、と頭の片隅でぼんやりと思う。しかし、目の前の真っ暗なテレビ画面に映ってしまったせいか、この部屋に漂う〝幸せ〟も、彼女の小さく零した言葉も、どこかフィクション染みて感じられ。ドラマのワンシーンのように自身も彼女の方へと僅かに頭を傾け、頭に置いた手をゆっくりと二、三度髪の表面に滑らせてみる。添えた台詞は、無意識下で相手の行動をコントロールしようとするような言葉で )ありがと。仕事のことちゃんと理解してくれる聖彩だから、何も心配せずに付き合っていられる。
( / いいえ、こちらこそお返事が遅れてしまって申し訳ございません……! 返信ペースがまちまちなのは私も同じですので、お互い無理することなくマイペースにやりとりができれば嬉しいなと思っております。今後ともよろしくお願いいたします!/蹴り推奨 )
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