匿名さん 2022-08-02 08:33:24 |
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お邪魔します。( ドアが開き、まず目に入ったのは仕事中とは違うゆったりとした彼女の服装。メイクが直されていることもあってかだらしない印象はなく、しかしリラックスした雰囲気が漂う。嵐の前のような重苦しさも、覚悟を決めたような緊張感もなく、現場で聞いた〝相談したいこと〟は深刻な話ではないのかと僅かに警戒を緩める。促されるまま上がった部屋の中は生活感を残しながらも小綺麗で、彼女の性格をそのまま表しているかのようだ。迷うことなく一直線にテーブルへと向かえば、そこへ買ってきたばかりのケーキ箱を置く。彼女が手土産の存在を認識したのは視線をたどればすぐに分かったし、その時点で受け取って冷蔵庫に仕舞わないということは今一緒に食べるつもりなのだろう。そう当たりをつけていれば、答え合わせのように飲み物の要望を尋ねる声が飛んでくる。まさか箱の上からできるだけ日持ちのしないケーキを選んできたことが悟られたわけではないだろうが、無事にこの場で消費されることに密かに安堵すると、ソファに腰を下ろしながら問い掛けに答えて )聖彩と同じのがいい。
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