人間や世界を創った創造神が座す世界。
創造神は、人間が住む現世の他に、夢のような場所とされる天国と苦痛が伴うとされる地獄を造られた。
人々は挙って天国へと旅立てるように善行を積んだが、あまりの人の多さに飽和状態となり、天国へ行けない魂が相次いだ。
困り果てた創造神は、現世に天国と地獄の役割を与え、2つの地と融合させることを決める。
現世の半数以上を占める天国は、皆が平等で創造神を信じさえすれば他に何も考えないで済む夢のような桃源郷。
現世の果てに点在する地獄は、現世と同じように苦悩を抱えるが自分らしくあれる生き甲斐のある世界。
創造神の機転により魂の飽和は避けられたが、何も考えないで生きる者は魂の質が落ちるようになった。
ある程度の苦悩を受けて乗り越えることが、魂を磨く最大の武器だったのである。
再び困り果てた創造神は、質の良い魂の回収と育成のために、天使と悪魔を御使とし、人々に試練をお与えになった。
天使は、甘言を囁き人々を苦悩から解放するが、生きる意味を奪う隣人に。
悪魔は、厳しい環境に誘い人々と共に苦悩することで、生きる意味を与える隣人に。
創造神は不完全なものを慈しむ心の持ち主だったため、天使と悪魔にもそれぞれの役割に憧れて鞍替えする者も現れた。
さて、創造神の新たな策は始まったばかり。
これらが吉と出るか凶と出るか。
創造神すらも知らない歴史が紡がれていくーーー。