幼なじみから先へ〆

……理解、できるように頑張る…。

( 理解出来るわけがない。そんなことは相手もよく知っているだろう。しかしそこまで驚かれるとは思わず、自分は相当勉強ができないというレッテルが貼られているようだ。まあその通り。｢なんだよ…だめかよ｣と若干拗ねたような表情を示すと、やはりこの言い訳は苦しいものがあったなと反省して)


え？…いや、でも。
…綾菜がいいなら。

( 相手からの提案に目を丸くすると同時に、内容にもツッコミどころ満載で頭を抱える。幼なじみの両親が忙しく働いていて日中はいないことくらいよく知っている。兄弟もいない彼女の家に行くということは、即ちそういうことだ。小さい頃は二つ返事で喜んで遊びに行っていたが、今は状況がちがう。かといえ、一人暮らしの自分の家に呼ぶのは余計わけが悪い。断るのも変に意識していると思われて嫌なので、できるだけ平然を装いながらそう言い。)