狐の面 2022-06-16 12:41:30 |
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……──ぷっ、ははははっ!!お前は物知りだなぁ、今代の嫁は博識でかなわなんだ。いやなに、すまないね。……そんな堅苦しいものじゃァないさ、言葉には少なからず想いが集まるものだからね、出したものは引っ込めないのと同じだ…だから、大事におしよ。
(久方ぶりの空腹を満たすのにこの食事量では物足りないし、人間の食べ物で満腹になることはもちろんないがこうして嫁として迎え入れた者と食事をするという行為自体が今は何よりも楽しくて仕方ない。いくつのも料理を口へと運んでは飲み込んでいく中で返ってきた相手の言葉に思わず箸が止まる。ポカンとしたようなどこか気の抜けたような表情をしばらく浮かべていたが言葉の意味を理解して数秒後、込み上げてくる笑いを我慢出来ずに表へと出していく。箸が落ちそうになるのを堪え、片手で腹を抱えては肩を揺らしながら笑いの中でなんとか息を吸おうと懸命になる。少ししてからようやく落ち着きを取り戻すと目の端に浮かべた涙を爪の先で拭いさると、こうも笑われては可哀想かと謝りながら相手の頭を軽く撫でてやり。さてどう説明しようか悩むも、あまり重苦しいものとして捉えて欲しいものではないと判断し、右隣に置かれた肘置きに片腕を乗せ、姿勢を崩しては開け放たれた縁側の向こう側、庭を見遣りながら僅かに目元を緩めるとぽつりぽつりと言葉を紬、上手く言葉に表せないのがもどかしいが致し方なしかと言いつつ嘘でもないそれに一つ笑みを浮かべては再度相手へと見やったところで視線が己の尾の方へと向かれているのに気がついては器用に尾を持ち上げてその先で相手の頬を撫でてやり「触りたいなら遠慮せずに言いなさい。嫌とは思わないからね、触るか?」と小さな頬を包むように毛先でふわふわと軽く叩いてみては緩く首を傾げてみせて )
( / 大変遅くなってしまい申し訳ありません。また時間が取れるようになったので、相変わらずマイペースですがよろしくお願い致します。)
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