狐の面 2022-06-16 12:41:30 |
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草履は慣れないだろう。すまんな、この邸はどうも古臭い仕来りやら昔のものに拘る気がある…後でサンダルを贈ろう。嗚呼それから服も、和服には拘る必要はないよ、普通に現代の服を着ると良いそれから──とと、あまり話をしても疲れてしまうね、さて行くとしよう。
(相手が疲れているのは安易に想像できたし無闇に誘うのも如何なものかとも思ったがもしも無理をしているならばまた後日にでもと考えていたが何処か楽しそうな色を見せた相手の反応には少しばかり驚いたものの嬉しさは隠しきれず思わず尾が揺れる。適当にあったサンダルへ足を通し、相手の準備が終わるのを待っていれば手近にあった草履へ足を通すのを見てはてとひとつ。昔と違い現代の今となってはこの邸内では変に目立ちもしないが草履等些かそういうのに拘る気質の人間ばかりで今の時代に合わないものばかりで揺らした扇子を閉じては口元に当てつつ緩やかに小首を傾げながら相手の足元を見下ろし言葉を紡いでいくがはた、と我に返ると話しすぎたかと扇子を袖の奥にしまいこんでは反省と。ひとつ咳払いをしては近寄ってきた相手の頭をひと撫でしてやれば慣れないものでは大変かと相手の身体を片手で抱きかかえては右腕に軽々と乗せ)
お前が望めば携帯も持てる…スマホと言ったか。学校へも行けるが基本は家庭教師が付く──堅苦しい毎日が明日からあるだろうが、息抜きは何時でもして良いんだ。それを忘れてはならないよ。
(正面の庭を抜けて、正門を軽々と地面を蹴り上げて飛び越えるとどこまでも続く竹林、その中を迷いなく進んで行けば少しして見えたのは狭いながらも開けた場所。月明かりに照らされた小さな池、可愛らしい小ぢんまりとした滝、池の周りにある色とりどりの花々。相手を池の近くで降ろしてやると近くにあった岩に腰掛けて『綺麗だろう?私のとっておきの場所なんだ』と付け加えて)
( / ありがたいお言葉…嬉しい限りです。此方も久方ぶりですので駄文が多くあるかと思われますが少しずつお返ししていけたらなと思いますので、よろしくお願い致します。 )
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