狐の面 2022-06-16 12:41:30 |
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ありがとうございます。
この震えは貴方様への畏怖、声の震えは緊張から来ております。貴方様からのご配慮痛み入ります。
(取って喰わないその言葉にどれだけ自分が救われたかきっと相手は分からないだろう、その言葉を受けて自然と体の震えが止まった。確かに会うまでは恐怖心の方が勝っていたが、こうして相見えた今はどちらかと言うと相手の声音、顔立ちに畏怖の念の方が勝っている。その事を伝えつつ見苦しい姿を見せた事への詫びと先程言われた言葉へどれだけ自分の気が楽になったのかを伝えたくなり、その配慮にお礼を言ったその時にふわりと柔らかな風が吹いた、今この環境では風は吹かないはずと伏せていた目を僅かに開ければ、そこには先程まで少し距離のある御簾の上げられた場所へと座していた筈の相手の衣服が目に入る。その早業と言うべきか瞬間移動じみた移動の仕方に驚いていれば、相手の持つ扇子の先で顎先を持ち上げられて顔が持ち上がる。流石に声も出ぬほど驚くがそれよりも失礼があってはと目を伏せていれば、次はひんやりとした冷たくだがどこか骨ばった感触のする、恐らく相手の指と思われるものが自身の頬を撫でた、その冷たさは人ならば有り得ない冷たさで確かに世の中には低体温症と呼ばれる症状や人もいる。だがこれは明らかに人ならば異常な冷たさだ、益々相手が人ではないと言う証拠が上がってくる。この方ならば自分をひいては巫家の者など赤子の手をひねる位の容易さで滅せれるだろう、少しの恐怖と多大な畏怖の念を抱えていれば、目を開けろという。正直どうするのが正解なのか分からない、否定しても失礼だろうし、そのまま開けても失礼だろう。ならばと色々考えに考えれば)
――では、畏れ多くも目を開けさせて頂きます。
失礼をば
(そう一言、自分の意思ではあるがあくまでも相手の意志を尊重した事、自分の目を気に入った様子の相手に失礼が無いようにと上記を言うと、ゆっくりとした様子で自分の目を開けていき、相手が華と称し改名する理由となった紫色の瞳が相手の金色の目と合えば、目の前に人外じみた美貌を持つ者がいると言うその顔面の迫力に僅かに息を詰まらせるも、恐らくこの国では黒髪黒目、あっても茶髪茶目と言う色の中、黒髪紫目と言う変わった色を持った自分の目の色が珍しくてこうして見たいのだろうと頭をフル回転させており)
(/ いえいえ、こちらもそう言った過程、夫婦の様子は大変好みですので、いずれその時が来たなら入れて下さればと思います。質問に答えて下さりありがとうございます!)
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