…あはッ、やァだ。だってソイツ、裏切者だもン。 (お気に入りの人間を目にしたからか、明らかに機嫌がよくなった様子で笑うが、目の奥は一切笑っていない。寧ろ逃げる男の背に殺意を剥き出した眼差しを向け、拳銃の引き金を引く。弾丸は男の足元を掠め、男は押し殺したような悲鳴を上げながら逃げ去っていった。彼は頬を膨らませ、携帯電話を取り出すと部下に電話を掛ける。)