匿名さん 2022-05-22 01:20:09 |
通報 |
────ふっ…。
(キッチンへと向かう彼女の何処となく嬉しそうな姿に心の奥に引っかかっていた物が取れた様にホッと胸を撫で下ろす。彼女の涙を見た時はとても心苦しく胸が締め付けられる思いだった。目前でコナンになり状況から仕方なく話してしまったが、本当にこれで良かったのかその答えについては未だに出せていない。組織を壊滅させていない以上全てを話す訳にもいかず、靄が晴れずスッキリしない感覚に陥る。
──幼馴染がキッチンに立っている間に、心配して近付く博士。ピスコと言う組織のメンバーに連れ攫われた時と言い、今回の誘拐事件と言い、またいつどんな状況下で同じ目に遭うか分からない。それは秘密を知った幼馴染だって同じだ。これから先、更に細心の注意が必要となるだろう。そう思えばこそ、博士には自分達の事よりも灰原を気に掛けて欲しいと伝えて)
…ああ、さんきゅ。いただきます──旨っ!
(キッチンから戻ってきた彼女に気付かれる前に博士との話を終わらせ、何事もなかったかの様に笑みを浮かべて礼を一言。作りたてという事もあって、熱々の湯気に覆われた美味しそうな玉子粥を前に添えられたレンゲを左手で少し掬い、自分の息を吹きかけ冷ましてから口の中へと頬張り。コナンとして傍に居て彼女の作る手料理を毎日のように食べていた筈なのに、なんだか久々に味わう様な不思議な感覚になる。正体を明かした事によるほんの少しの解放感がそうさせているのかも知れない。
感想を短く述べると一口、また一口と食べ進めて)
トピック検索 |