匿名さん 2022-05-22 01:20:09 |
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ど、毒薬?そんな……!
(一緒にトロピカルランドに出掛けたあの日の事を、自身が忘れるはずがない。あの日からずっと、新一の事を待ち続けているのだから。夢のような有り得ない話を、ただ黙って、時折深刻な表情で頷きながらじっと聞く。普通の状況でそんな事を言われたら、いくら彼の話とはいえ到底信じる事は出来なかっただろう。しかし、この目で彼の身体が縮む瞬間を目撃してしまっている以上、どんなに魔法のような非現実的な話であっても信じるほかない。トロピカルランドで新一と別れる際に感じたあの嫌な予感、あれっきり新一が滅多に帰って来なくなってしまった事。そして、新一と入れ替わるようにあの日から突然現れたコナン君──とっさに考えた出任せとは思えないほど点と点が線で繋がっていくような完璧な説明に、疑う余地など何処にもなかった。だからこそ毒薬というとんでもない言葉に衝撃を受け、狼狽えてしまう。事前にある程度の覚悟をしていたとはいえ、まさか毒とは思いもよらなかった。人間の身体が縮んでしまうような恐ろしい薬が、この世に存在しているなんて。そんな物を飲まされた彼の健康被害も心配だ。衝撃的な言葉を聞けば落ち着かない様子でソワソワと焦りの色を見せ始め、それでも彼が一通り話し終えるまでは口を挟まずに耳を傾けて)
──それ、どうしてわたしに言ってくれなかったの…?
(少しの沈黙の後、窓の外を眺める横顔に一番気になった疑問をひどく悲しげな声色でぶつける。彼の説明通りなら、博士には早い内からこの衝撃の事実を打ち明けていたはず。それならば、博士に言えて自身に話せなかった理由は何なのか。彼の説明からはどうしてもその理由が理解出来ず、それならば相談して欲しかったと強く思ってしまう。これまでに、二人が同一人物なのではないかと疑ったタイミングは何度かあった。せめてその時にでも話してくれていれば…ずっと待っていたのに。寂しかったのに。すぐ傍にいたのなら教えて欲しかった。そんな想いから、枯れるほど散々泣き尽くしたはずの涙がまた、じわじわと込み上げてきて)
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