匿名さん 2022-05-22 01:20:09 |
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……っ!
(こんなに頼んでも、それでも聞き入れてはもらえずに振り払われてしまった。完全に拒絶されているのだと悟れば、ショックのあまりとうとう何も言葉が出て来なくなってしまう。ここまで彼に嫌われるような事をしてしまった心当たりは全くないのだが。昔からずっと一緒に過ごしてきて喧嘩をする事も数え切れないほどあったが、自身に何か文句があるのなら面と向かって言ってくれるような、そんな彼だったはず。その彼に、ここまで頑なに突き放すような態度を取られたのは初めての事で。もしかすると、暫く会っていない間に彼の気持ちはとっくに離れて行ってしまったのかもしれない…と最悪のケースが一瞬頭を過ぎる。それでも自身の気持ちは変わらないし、もう、彼が無事で居てくれさえすればそれでいいのに。這うように自身から逃げようとする彼を、まるでこの世の終わりかのような悲しい瞳でじっと見つめて──そして、目を疑った。倒れ込んでしまった彼にすぐさま駆け寄ろうとしたのだが、みるみるうちに彼の姿が見えなくなっていく。目の前で人間が消えていくような光景に、驚きのあまり身動きが取れずに放心してしまう。暫しの間の後、ようやくハッとして幼馴染みの無事を確かめるべくおそるおそる近付いてみれば、ぶかぶかの服に覆われた隙間から小さな顔や手足が覗いているのが視認できて──消えたのではなく、縮んでいた。その事実を理解するのにも時間がかかったが、理解してからも状況は微塵も理解出来ずに言葉を失い、脳内にいくつもの疑問符を浮かべたまま、ただただその場に立ち尽くして)
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