匿名さん 2022-05-22 01:20:09 |
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──はっ!?メールが来てねーってどういう事だよ?俺は確かに博士に…──!?
(阿笠邸に入るなり、電話越しでの反応が気になった為メールで送った内容を博士に確認を取る。しかしそんなメールは届いてないとの一点張りで、仕方無く自らのスマホをポケットから取り出し送信履歴を見てみると衝撃の事実が。鈍器で殴られた様な衝撃と背中を唾たる冷たい感覚。彼女の事だ、知らない単語が並べられ困惑しているに違いない──思い返してみれば先程の探偵事務所での妙に引っ掛かるあの反応、あれは自分に向けられていたものだったのだと理解すれば顔に手を当て項垂れて。その様子を見て博士に問いかけられ、その事実を伝えれば案の定自分と同様の反応。
焦っていたとは言え、送信相手を確認せずにあの内容を送った相手がまさか彼女だったとは。なんたる失態か。況して灰原が誘拐されたとまで書いてしまっているし、下手をすればこの事態に一番巻き込みたくない大切な彼女を巻き込んでしまう事になるかも知れない。それだけは何があっても避けたい為、取り敢えず元の姿に戻る為の解毒薬の用意を博士に頼み、予備で博士の家に置いて貰っている新一用の服を自分は取りに行き着替える。解毒薬と言っても完成品には程遠い試作品、どんな副作用があるかさえも作った本人がいないのだから分からない。それでも灰原を救う為、躊躇などしてはいられず薬を飲み込むと程なくして鼓動が速くなり激痛が全身を駆け巡り身を捩る。激痛に耐え声を押し殺していたが我慢出来ずに大声を上げて。
──数分後、一時的にとは言え元の姿に戻れた様で手を開いたり閉じたりして久々の感覚を確かめる。薬の副作用だろうか、風邪を引いている様な熱っぽさと全身の怠さは多少感じるが立ち止まってはいられない。指定時間も迫っている。
静かに立ち上がると心配する博士を静止し口を開くと)
博士、もしかしたら蘭がここに来るかもしれない。その時は何とか誤魔化してくれ。俺も何とか理由を考えるけど…今はそれよりも灰原を助けるのが最優先。頼んだぜ、博士。
(万一彼女が訪ねて来た場合に備えて、何か誤魔化せる様な理由を考え対応してもらえる様頼むと玄関へ。黒のパーカーにジーパン姿。雨が降っているのだから出歩く人間は少ないだろうが、修学旅行の一件後みたいに姿を見られてまた騒ぎになっては困る為、パーカーのフードを目深に被りいざ外へ。
雨の程度は先程とあまり変わらない、ドアを閉めると指定場所へと向かう為阿笠邸敷地内を抜け、面した道路まで出ると走り出して)
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