スレ主 2022-05-21 01:01:00 |
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おや、何でしょうか。
( 突如、騎士団長より後方の兵達が乱れ出す。冷たい斬撃音が響いて、兵達の断末魔が上がる。一体何が起こっているのかと、後ろを振り返ると、隊列は崩れ、兵達が続々と何かに薙ぎ倒されているようだった。
その何かとは未だ特定できない。暴風のように荒々しく、また一瞬の残像のみ残して、兵と兵の間を過ぎ去っていく。そして、鎧の兵達は構えた剣を使う余地なく、血を流して倒れていく。そんな光景がずっと繰り返された。
ここで一つ、明らかなのは騎士団長の方へとその殺意が向かっているということだった。)
あぁ、アレは私の嫌いな冷たい殺意…。あのような効率性だけを追求する殺戮はクソです。どうせなら、激しい情熱や情動を持って殺していただきたいものです。命の取り扱い方としては、なんというか… その、非常に見ていて残念なものです。落第点です。
( 騎士団長は悠長に佇んで、静寂に暴れ狂う殺意を目で追っていた。殺意との距離も相当縮まり、あと数列ほどを跨いだ先には、殺意の対象が待っている。
しかし、然うは問屋が卸さない。騎士団長の肉壁となるようにおびただしい兵隊が、規律正しく動き出す。そして、騎士団長の身体まで殺意の刃が到着する前に、無数の鋭い稲妻が殺意へ向かう。兵達は、迫り来る殺意への鋭い電撃を開始した。
その隙、騎士団長は殺意へ背を向け、部族集落により一層近づいていく。)
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