スレ主 2022-05-21 01:01:00 |
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>>101
やはり…。
( おびただしい電線が哀れな母子を飲み込む寸前、少女の猛々しい電撃の刃が母子の運命に反逆する。
ほんの刹那の反逆だった。残酷騎士団長には、この刹那に対処する理由も意気込みも利得もない。むしろ自らの黒い導線が相手の刃によって、見事に全て細切れになっていく瞬間を心から喜ばしく見ていた。)
あぁ… やはり、あなたはしっかりと偉大な血を引き継いでいるようですね。その勇敢さ、その誠実さ、そして、それらを実現する疾風迅雷の如き剣の技巧…。
( もう母子を食肉と変える電線はない。母子は救われた。食肉となる運命を免れたのだ。北方の少女、北の騎士団長はこれを実現した。
西の騎士団長は、北へ拍手を送る。すると、団長より後方に控える鎧の兵も拍手をし出す。雨が強まる。雷が落ちる。まだまだ暴力と殺人が行われる残酷な戦場に響き出す盛大な拍手。
程なく残酷騎士団長が、拳を軽く空中へ上げると、背後の拍手は一斉に止んだ。)
素晴らしいです。しかし、あなたの根源的な怒りは未だ安らかに眠っているようです。あなたは、それを意図的に押し殺して生きているのか。それとも忘却しているのか。どちらにせよ、残念ながら今日はそれを確認できないようですね。なぜなら、あなたは、あまりに冷静すぎる。
( 突如、あちこちの大地を穿ち、下から這い出てきた黒く、巨大な幾万幾億の電線。無数の黒い線が天に登る。
さながらクラーケンの脚の様なそれらは、天から、集落のあちこちへ暴虐を打ちつける。
そして、残る部族の子どもや女の体に勢い巻きつき、西側へ引きずり込む。手足を失う程度の怪我は免れない。もちろん中には無惨に死者も出す。というか、出す前提の乱暴さで。)
今日はここまでにしておきましょう。…ここは西の領域ですが、あなた方の侵入には目を瞑ります。それから、この瞬間をしっかりと目撃した例の母子。オリヴィア様が救済した母子は、…いえ、作品は、あなた方へのプレゼントです。
その作品には “北の怒り”と、真心を込めて命名しておきましょう。
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