名無しさん 2022-05-05 16:24:15 |
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神谷…志穂ね、うんうん……
(注意深く、口吃りながら呟かれる声を聞き逃さないように拾っていく。
私の事を怖がっているのかとも思ったけど、それよりはどうにも、こうして自己紹介する事自体に何らかのハードルがあるようで。
そうして恥ずかしそうにどうにか自己紹介を済ませたのを見届ける私の脳裏に、子犬とか子猫が覚束無い足取りで転げながら歩くVTRとか、そういう類のイメージがぼんやりと浮かんできた。 )
えっそりゃ別に、気持ち悪いだなんて思う理由もないし。
……私にそうしてほしいなら、そうしてもいいよ~?
(勿論、きっとそんな訳はないだろう。 こんな様子を見て、あっこの子は誰かに嫌われたいんだなぁ。 だなんて受け止める人間がいる訳が無いのだ。 )
残念だな、せっかく仲良くできるコを見つけたと思ったんだけど…… ごめんね、邪魔して。
(だからそうして溜息を吐き、ついっとそっぽを向いてみる。
……横目でちらり、と様子を窺いながら。
要は、志穂ちゃんはお腹の減ったハリセンボンとか、そういう類のヤツなのだ。 精一杯チクチクしてみせても、元から疲れているからそんなに怖くはないし。
目の前にわかりやすい餌を投げられても、このチャンスを逃せるほどの余裕もないってこと。 出会って数分で何を知った気になっているんだ、って感じでもあるけれど。 )
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