匿名さん 2022-04-24 11:11:17 |
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( 己の制御不足、職務怠慢の事実を銃口をぐいと突きつけるように嫌でも理解させられればその場でがっくりと項垂れる。謝罪の言葉を口にする事すら許される事なく、やけに耳に残る電子音が話の終了を意味すれば携帯を持ったまま暫くそこに佇んだ。「……本部に、一度戻ってマキマさんに報告をしましょう 」冷たい汗が静かに頬をつたい、脳の処理が格段に鈍くなる中先程上司から告げられた言葉をそのまま小さく口に出せば、自身がどのように見えているか考える余裕などとうになく。初めて彼女に会った際、その血の轍のような瞳で通常ならば知る筈のない弟の名を呼ぶその美しくも余りにも残酷な声だけが脳内で残響していた。自身を心配してか声を掛けられた処理班の一員へとへ本部に移動する旨を伝えれば、意識を繋ぎ止めるような鼻につく血の臭いを拭おうと破れたシャツの切れ端で頬を拭う。じんとした痛みを伴う眼球を軽く抑えれば、嘲笑うように手に巻かれた糸が解れ粒子状となって自由にひらひらと辺りを舞っていた。少し時間が経った後に現場へと辿り着いた車に乗り込むと、運転手へと軽く頭を下げれば段々と遠ざかっていくネオン街、先程とは違い寝静まったような街の様子をぼうっと見つめ。問いかけにあきらかに貼り付けたようなぎこちない笑みを浮かべ疑問に答える。「 アルドさんの前で言う事じゃないですが 」と気休めの前置きをつけた上で、小さく細々とした声で話を続け。言いたい言葉を飲み込むかのように最低限の言葉に収めた後、少しの間に耐えることが出来なかったのか付け加えるように「 あの、車の手配ありがとうございます 」と言葉を絞り出し )
私の、監視不足と職務怠慢の説明をしろと。……多分始末書ものです。
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