ちりめんじゃこ 2022-04-14 23:36:58 |
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なっ…!?ま、まだ寝ぼけてんのかよ!さっさと起きろ…っ
(ゆっくりと開かれる垂れ目がちで薄紫の瞳に己の姿が写り、まだ寝ぼけたように微笑む彼と目が合えばドキッと胸を高鳴らせて思わず目を逸らした。すると"キスをしてくれたら起きようかな"と、毎朝彼の言う揶揄いの言葉には少しは慣れたのか二つ返事で聞き流す。付き合い 同棲を始めたすぐは彼の言葉に惑わされ、言われるがまま己から口付けをしなければ本当に起きてくれないのだと真っ赤な顔で落ち着きを無くした様にドギマギしていれば、そんな己の一連の流れを見ていた彼は声を押し殺し肩を震わせ笑っていて、揶揄われていたことに初めて気づくと全身が熱くなりその日は1日ずっと拗ねていた事もある。故に今朝もいつもの軽口だと受け流して入れば、最近は少し思考を変えてきたのかそのまま上体を起き上がらせると優しく抱きしめられた。ふわりと鼻孔をくすぐる彼の香りと優しい温もりにビクッと肩を跳ねさせ耳まで真っ赤に染め上げ、平常心を装いながらも内心喜びと羞恥で戸惑いを隠せない。するとそんな己の姿を察してか直ぐに身体は離れてくも、ドキドキと煩い心臓の音を誤魔化すようにベッドから立ち上がる彼に悪態をつきそそくさとリビングへと向かった。抱きしめられるのが嫌なわけではない。寧ろずっと好きだった相手とせっかく恋仲になれてスキンシップだって沢山とりたいと思ってはいるのももどうして良いのかが分からないのだ。そんな素直になれない自分に歯痒く思いながらリビングへ向かえば朝食の並んだテーブルへ向かい椅子に腰を掛ける頃には心臓の鼓動は少し落ち着きを取り戻しており、彼が来るのを待っていて。)
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