一昔前、世の中を治めていたのは妖怪達であった。妖力を用いて自然のサイクルを整え、動物の数も適度に保つ。力のある妖怪の前に、人間達は畏怖や畏敬を抱き、妖怪に逆らおうとは誰も思わなかった。しかし、人間達が科学という力を手に入れると、状況は途端に変わっていく。
自然が切り崩され、人間達の棲家に変わり、妖怪の支配力はみるみる弱まった。今や多くの人間は妖怪の存在すら忘れてしまい、我が物顔で世の中を治めている。妖怪達の力の源は、豊かな自然と、人間の妖怪に対する感情であった為に、妖怪は人間達に強い干渉ができなくなっていた。
西洋の妖怪は遂に棲家を追われ、海を渡って日本に逃げてきた。しかし、ただでさえテリトリーが狭い現状下で、他の妖怪に来られては困ると、日本妖怪の一部は彼らを拒んだ。結果、とある山を中心に、和洋の妖怪は棲家を懸けて争う様になった…。