Schnapps. 〆

…、…。…ほら、早く乾杯しよ。
（ 戸惑いを孕んだ視線を此方に向け、おずおずと押し付けたナッツを咀嚼する様子を愉快そうに双眸細めて見つめ。彼に此のような悪戯を仕掛ける際、想定出来る事故ではあったのだが、指先に触れた熱い粘膜に思わずぴくりと肩を小さく跳ねさせ、ゆっくりと腕を引き。幾度か指先と彼の間で視線を行き来させたのちにようやく状況が理解出来、じんわりと体が火照っていく感覚を覚えながらも薄暗い店内では気づかれまいと高を括り。敢えて謝罪の言葉には反応せず、彼の視線が此方に向けられていることを確認してから其の指へ視線落とすと、態とらしくリップ音立てながら指先を己の唇へ軽く押し付け。扇情的な態度に対する反応に期待して胸高鳴らせているところに、注文していたカクテルが差し出されれば、自身のグラスのステムを指で摘んで其方側へ少しだけ傾け。）