ひなき 2022-03-15 14:25:02 |
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ゴホッ、ゴホ……。潮風が、胸に毒だ。
僕は芥川龍之介。
そこな黒服と同じく、卑しきポートマフィアの狗__
( 口許を押さえ、幾度か咳きつつ其方へ歩み寄り。片手間仕事と蔑して来たが、思って居たより此奴は逃げ足が速い。小癪な、と眉を顰めるが、然し少しは張り合いが有るものだと考え直す。コツ/\と靴音を鳴らして直ぐ其処迄来ると、咳を止めて双眸を向け。
刹那。膨大な殺気が放出されると同時に、外套が変形した黒刃が相手の頚を掴む。その儘倉庫の壁に叩き付ける。更に顱を潰そうと飛び掛る黒獣は相手の鼻先で止まり
「貴様で間違い無いな?
此処数日、我がポートマフィアの縄張りを荒らす、北米より流れて来た無法者共の長と云うのは」
静かだが鋭い殺気の混じった声が空気を震わす。辺りに転がる、先程黒服が殺したと思われる十は超えた死体を一瞥し、それから相手の反応から肯定と受け取り
「一人は生かして、尾崎さんの拷問班に引き渡せと云われているが、その必要は無かろう。
貴様は今、僕が此処で殺す」
此処に残った通信記録で充分情報は引き出せると考え、黒獣を再び動かす。血と脳漿を撒き散らして喰い千切られる男の様子を、何度見ても食欲が無くなる光景だと思いつつ目を伏せて )
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