匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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( 最初はあの明人が自分に話せない関係の女性の正体に興味を持っただけ。婚約者に近しい女性など憎むべき相手なのに、どこか憎めない誠実さには好感を抱いたにも関わらず、結局卑怯な真似をする彼女に失望してその秘密を暴いてやらんとムキになった。明人がどうこうではなく、一度でも自分が好ましいと感じた判断が間違っていたと認めたくなかった、このなんとも居た堪れない状況は椿の大人気ない短所が存分に発揮された結果と言えるだろう。椅子に座る櫻子に合わせて座りながら、その点について内心大いに反省していれば、鬘を外した櫻子に目を丸くし、まあ!と声を上げて。 「……あっ!敷島!そう……あ、いえ、ごめんなさい続けて頂戴。」 櫻子の信じ難い告白の途中であっと声を上げれば、以前明人が楽しそうに話していた学友の苗字と櫻子のそれが同じことに気がつくと、話の邪魔をした謝罪をしてから話の続きを促して。神妙な面持ちで櫻子の話を最後まで聞けば、成程と合点の行くことばかり、1分の間少しだけ考え込めば、状況証拠を受け止めこの突拍子もない発言を信じることにしたようで。ソファに腰掛けたまま櫻子の方へ体ごと向き直ると、その手に自分の両手を伸ばし )
その謝罪とお申し出、喜んでお受けするわ!
( 強気さの滲む美しい笑顔を満面に浮かべれば、素の口調になった櫻子に合わせ砕けた口調で胸を張る。この様な場合は謝らないでと窘めるのが一般的だろうが、椿を婚約者だと思っているにも関わらず櫻子が黙って近づこうとしてきたのは事実のため、謝罪は謝罪として受け止めて。しかし事情を聞けば言い淀むのも必至、むしろこれだけの事情を初対面の椿に話してくれた櫻子の誠意に此方も「それに私、1度も明人さんから貴女の秘密を聞いたなんて申してませんことよ。"知人だと"聞いた、だけ。勘違いさせてしまったならごめんなさいね。」と明人の名誉のためにも、すまし顔で白々しい謝罪を。それから明人の態度を見れば、櫻子の方が余程明人に愛されているに違いないのだが、何か行き違いがあるのだと勘づけば、キツイ態度をとったお詫びにお節介をひとつ、にっこりと笑って可愛らしく小首を傾げ。櫻子の話を聞いて同じ女として強く生きようとする彼女を気に入ったこともあるが、物語のような関係の2人に少女らしいミーハーな気持ちから応援したくなったこともあって。 )
でもただのご友人っていうのは嘘だわ。
それなら愛されたいだなんて仰らないのではなくて?
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