匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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――…ッ!? 姉小路様っ!?
(室内には誰もいないという思い込みから突如凛とした美しい声に驚き思わずその場から立ち上がって直立し。声の人物が予想外すぎて素っ頓狂な声に慌てて口許扇子で隠そうとして。眼の前にいる女性は同性の櫻子から見ても頭から爪先まで全身完璧で理想の女性像を体現しており、どんな男性も彼女が婚約者なら自慢したくなるだろう。グラスを受け取り水の御礼した後、ドレスの裾の解れに気付いたのかグラスをテーブルへ置き、手の届く距離まで移動して。)
私が男でしたら慎ましいだけでは惹かれませんね。ショートカットの似合う快活な――そう。姉小路様のような聡明で、独立心のある強気な女性の方が強く惹かれます。
(入学してから"櫻子"を封印し、"柾"として日々過ごし。異性しかいない生活に慣れてしまったのもあり癖で椿を"異性"として接し、片手を椿の頬へ伸ばしたのなら優しい手付きで滑らかに触れ、その手は次に美しい髪へと滑らせ。櫻子本人は無意識なのか"柾"の顔を見せてしまい、そのまま甘く蕩けるような微笑みを彼女へ向けて。何かあった時の為にソーイングセットを愛子から渡されていた櫻子はそれを椿へ見せながら解れを直すべく椿の前へ跪くように屈み、態と茶目っ気にウインク送りつつ見上げて。婚約者である明人が迎えに来ると思い込んでいる櫻子は、同性の知り合いを増やすこのチャンスを逃したくないのか思いきって苗字ではなく親しみを込め名前で呼びながら提案し。)
姉小路様。よろしければ私が解れを直しましょうか?藤堂様がお迎えにあがるまでには直せますので、その間だけでも椿様と親しくなりたいです。
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