匿名さん 2022-03-14 00:31:01 |
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( / お気遣いと場面転換ありがとうございます。背後様もお体にお気をつけてお過ごしください。
蹴り可との事でしたが、背後様のお気遣いにいつも助けられているとお伝えしたくご連絡差し上げました。今後ともよろしくお願い致します。/ 蹴り可)
ねえ、櫻子さんとはどの様なご関係?
( 真っ直ぐな背筋と精悍な体格に意外なほど似合う洒落っ気のある出で立ち、壁際にいても尚目立つ長身の幼馴染に徐にそう聞いてみれば、彼にしては珍しく焦った様子でシャンパンを吹き出しかける。咳払いをしてなんとか酒を胃に流し込んだ明人の表情は、椿の鋭さに舌を巻きつつも罪悪感の混じった見た事の無いもの。普段は飄々として掴めないところのある男だが、物心つく前からの長い付き合いで隠し事などされたことはなく、彼の初恋の顛末からやらかした悪事まで知らないことはないとさえ言えるだろう。今回の櫻子もただの恋仲であるのならば、話辛い理由が明人にあるのならば行きの車の中で白状したに違いない。『……すみません。俺からは。』しばらく逡巡して頭を下げる姿は、それだけで櫻子との関係が大切なのだと伝わってきて、そう断れば椿がそれ以上追求することは無いと疑いもしない、その信頼を裏切ることなんて出来ずに「今回は見逃すお約束ですものね、明人さんに恩を売れるのでしたらお釣りが来ますわ」と、恐縮する明人に可愛げのない笑みを浮かべることしか出来なかった。 )
……っ、ごめんなさい……盗み聞きする気はなかったのですけれど。
( 明人が他の夫人からダンスに誘われると、普段であれば人脈作りに勤しむところだが、何処で引っ掛けたのかドレスの裾のレースが解れているのを見つければ、針と糸を借りて休憩室へ。どうも上手くいかない日だと溜息をつきながら、入口からは死角の奥のソファで繕っていると、誰かが入ってきた気配に顔を上げる。此方からも顔は見えないものの、見覚えのある赤いドレスに更に気分は沈み込む様で、つい声をかけるのを躊躇ってしまうが、頭を振って立ち上がり声をかけようとして櫻子の独り言を聞いてしまい、何かと目立つ性分であるから陰口を叩かれるのには慣れているが、その真逆の内容に目を丸くして。明人の態度を見ていれば2人がただならぬ関係なのは明白なのに、その婚約者である椿を貶さない櫻子に好感を持てば、ふふっとつい笑い声を漏らしてしまい。明人の特別な女性というだけでなく、櫻子本人にも興味をそそられ、悪びれた様子もなく完璧な微笑を浮かべて謝罪の言葉を口にすれば、水の入ったグラスを差し出して。 )
"意外と"そうでもなくてよ。
殿方は慎ましい女性の方がお好きでしょう?
( 櫻子の呟きに対し、謙虚さの欠片もない冗談をさらりと言い退ける澄ました表情と茶目っ気は、やはりどこか明人に似たものがあって。 )
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