―Φ― エインヘリャルの痛哭 ―Φ―[ ダークファンタジー / キャラロスト有り ]

―Φ― エインヘリャルの痛哭 ―Φ―[ ダークファンタジー / キャラロスト有り ]

μ  2022-03-04 21:32:27 ID:09beb1e04
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【 或る英雄の懊悩 】


「契約だ。どうか彼女を止めてほしい」

男の低い声は、拒否を許さない威厳と同時に心の底から希うような響きを孕んでいた。
暗闇の中、わずかな蝋燭の灯でぼんやりと浮かび上がって見えるだけの口許がニヤリと笑みを形作り、おどろおどろしいほど真っ赤に引かれたルージュがぬらりと光を反射する。

「種族の誇りよりあのじゃじゃ馬が大切だと言う事ね」

甘ったるいような、それでいて冷たさを含む声は聴くだけで毒に侵されそうだ。
男は女の問い掛けに沈黙を以て応え、女は喉奥で愉悦の笑いを転がして

「あなたの目的のためには手段を選ばない所、昔から嫌いじゃないわ。あなたが人類なのが惜しいくらい…。」

ふと蝋燭の灯りが揺らいだ瞬間、鮮血の如き真紅の唇は男のそれと重なり合っていた。
舌の粘膜を弄るような耳を塞ぎたくなる水音を響かせた後

「契約成立よ。分かっているとは思うけれどこの件に精霊の介入はご法度。あの忌々しい存在の干渉を確認した時点で、即時契約は無効――異論はないわね?」

またしても沈黙。
女は紅い唇の隙間からゾッとするほど鮮やかな青色の舌を覗かせて舌舐めずりをした後

「ああ、もう。妬いちゃうわ」

楽しげに言い残して風が吹き抜けるような音とともに姿を消した。
後に残った男は糸が切れたようにその場に膝を付き項垂れるのだった。

「…………許してくれ」



( / この世界の水面下で織り成される物語の一幕。暗く血と死臭に彩られながら一筋の光芒に向かって疾駆するような、深いダークファンタジーの世界へご興味のある方はぜひ詳細をご覧になって下さい。少しの間レス禁)




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  • No.21 by ロヴァル  2022-03-06 19:18:21 



>17>20 μ

(/お返事ありがとうございます。

非公式設定の捏造について、大変失礼いたしました。
固有魔法に関する部分は『チートになってしまわぬように』との意図のみにより書き加えていたものですので、「通常治癒は不可能とは言え治す方法は複数ある」という、余白のある内容に改めさせていただきました。
魔術軍やその中央出兵については大丈夫でしょうか……?ロヴァルのキャラクター属性が大きく変わるわけでは無ければ特に拘りはございませんので、名称や行動、組織構造など、主様の構想の範囲内に変更していただいて構いません。そちらに合うよう設定を修正いたします。

オープンワールドを駆け巡る物語が好ましいとのご意向も把握いたしました。
イチイの谷やそこに生きる人々、またランデル中佐や関係者などは、すべて主様の箱庭につくらせてもらったものなので、こちらも何をどのようにしていただいても構いません。主様のアレンジを受け、積極的にこの世界を冒険する所存です。

書き忘れてしまっていた参考欄の追記を含め、以下のPFで細かな修正をしてあります。大きな変更はございませんが、ロヴァルがイチイの谷に心を寄せる理由を「ユアストーリー」に追記いたしました。


名前 / ロヴァル
種族 / 人間、元魔術軍軍曹の『狩人』
性別 / 男
年齢 / 36

現在地点/大陸東南部のユーダリル山脈、農村『イチイの谷』。人口約2,400人(400戸)。北部ほど深刻ではないにせよ、夏以外は基本的に寒く、冬は山脈にぶつかった雲により雪が厚く積もる。陸の孤島のような場所であるため、都市部に比べれば人々の扱う魔術はずっと未熟で数も少なく、生活に密着したささやかなものばかり。イチイの木材の加工品や果実酒が特産品。ロヴァル自身の家は、谷を見下ろすことのできる斜面に建てた山小屋。

容姿 / あちこちに傷の目立つ筋骨隆々の肉体。背丈は少々高い程度で、大男というほどではない。くすんだ金髪の髪に、初見では険しく見える鳶色の目。顎にケロイド痕。見かけだけはいかにも普通の猟師らしく、鹿革の猟装束と灰色の脚衣、同じく鹿革のブーツという出で立ち。

特徴 / 固有魔法『地獄の火』。青い魔法炎を纏わせた弾丸や矢、山刀などで敵を攻撃すると、当てた箇所からある程度広がる、通常治癒不可能の火傷を負わせることができる(治癒は絶対に不可能というわけではなく、いくつかの方法がある)。このほかにも炎を扱う魔法が得意で寒さに強い。半面、重力操作や洗脳といった、基本元素を逸脱する高等魔法については、扱うのも対策するのも不得意。また、軍人なので一般人よりも鍛えてはいるが、肉体強度は当然人間並みであり、魔法炎は自分自身にも通用する。

性格 /
・どちらかと言えば社交的というよりも職人肌。日々仕事に勤しみ、山の見回りや装具への手入れ、自分の肉体の鍛錬を抜かりなく行うことに時間を割く。
・しかし決して人付き合いが悪いわけではなく、仕事仲間として信頼を置く狩人たち(後述)とはよく酒場に行きつけている。谷の外の人間に対しては、谷にとって危険がないかどうか、谷が受け入れるかどうかが重要な基準である様子。谷の人間が歓迎するならば表情を和らげて挨拶するし、谷の人間が強く拒むならば無表情で用心棒役に名乗り出る。良くも悪くも、谷の人間は信頼し、谷の外の人間相手なら値踏みする様を隠さない。
・谷の人々の生活が平穏無事に保たれることを何よりも望み、平和を愛しむ。谷の子どもたちに思い入れがあり、自分の子でなくても可愛いらしい。幼い子らには革の玩具やスキー靴を与え、少年たちには暇のある時に(普通の獣の)狩りを教える。その様は未婚の女たちの好感を少なからず招いているようで、時に共寝することも。これはロヴァルに限らず、イチイの谷に隠れ住む狩人の男たちの平均的な姿であるらしい。狩人のなかにはそのまま谷で妻帯したものも少なくないが、ロヴァル自身には今のところその予定はない模様。足腰の悪い老人たちのために使いや雪下ろしをすることもしばしば。
・上記を見ればあまり問題のない人間に見えるが、軍人時代の己を打ち消そうとする無意識によるもので、時折その不安定さがちらつく。軍人時代は獣人に対し無情に徹し、屍をかえりみることもなかったが、軍の主導する過剰な侵攻で無辜の民を屠る内に突然心的外傷を発症したらしく、振り返りたがらない。
・この時の経緯から、悪鬼排撃のため時に人類を焚きつけることもある精霊たちに苦手意識を持っており、あまり関わろうとしない。とはいえ、自分の魔法炎を磨くとなると、精霊に学ぶところが多いことは自覚済。
・「獣人もただ平和に生きたいという点では自分たちと同質」ということは理解している。しかしながら、歴史的な恨みによって獣人に殺される無辜の人類もいることから、「谷の生活を復讐心で脅かす獣人に対してのみ殺意を向ける、排除を行う」という行動指針に落ち着いている模様。

「当初の」目的 / 獣人・悪鬼の侵攻から『イチイの谷』の人々を守ること。獣人たちの縄張りとの境目を日々警邏し、見かければ警告を発し、それでも侵入してくるのであれば危険を排除するために生け捕りもしくは殺処分すること。──ある意味、『谷の人間を守る』という大義名分によって獣人殺害の罪悪感を正当化しようとしているとも言える。

得物 / 背中の旧式の猟銃、腰の山刀

ユアストーリー /
・出身は第二首都レシエンタ。家族には両親と妹がいたが、いずれもロヴァルの従軍中に流行り病で亡くなっている。
・元は大陸中央部で従軍していた正規の魔術兵。しかし組織に身を置くやり方は性に合わず、いくつかの戦争で武功をあげたのち退役。以降、大規模侵攻でもなければ魔術軍の介入が薄い、大陸東南部の山岳地帯の農村を少人数で護衛する獣人狩りの自警団、『狩人』として生計を立てている──というのが表向きの経歴。
・実際のところは、獣人への度重なる殺戮で心を壊しかけた過去がある上、戦争のどさくさに紛れ上司にあたる「ランデル中佐」を殺害した罪で逃亡中の「ノルドヴァル少尉」であるという秘密をも抱える。殺害の動機は不明。当然軍から指名手配されているが、皮肉にも獣人たちとの熾烈な侵攻のおかげで軍もあまり労力を割けないために雲隠れできている模様。イチイの谷に暮らす他の6人ほどの狩人も似たり寄ったりのわけありばかりらしく、互いにある種の仲間意識を持っている。
・4年前、軍からの逃亡の果てに負傷状態で迷い込んだのがイチイの谷。谷の人々のあたたかい看病で心を動かされ、潜伏を兼ねた恩返しをするうちに谷に住み着いた。また当時から獣人の攻撃にさらされていた谷を見て、獣人との戦闘経験に富む自分がここに辿り着いたのは谷に呼ばれたからなのだ、という運命感、使命感を抱いている。実際、家族もなく軍も抜けた今、自分の身を置かせてくれたイチイの谷は生き甲斐に等しい。
・物語重視希望。恋愛要素は異性のみ対象、他参加者様との絡み可能。
・現状で浮かぶロストの原因:「谷の人々や狩人仲間を守るための戦いで命を落とす」「同じ人類である魔術軍が放った捜索隊に見つかり処刑される」「ランデル中佐の信奉者や血縁者に復讐される」「軍人時代に手に掛けた獣人の親族や恋人に復讐される」「ユーダリル山脈掌握のため、イチイの谷に潜入し村民を演じていた悪鬼に謀られる」
・ロヴァルのストーリーならではの登場し得るNPC:イチイの谷の狩人、男、女、子ども、老人、ユーダリル山脈付近に住む獣人と彼らに味方する悪鬼、魔術軍関係者

参考 /
・彗星の騎士メイベル:魔術軍に関連しそうなため。
・烈火のヴォルカ:ロヴァル自身が炎の魔法の使い手であるため。
・竜人アガメムノン:軍にいた時代に「討ち取るべき敵の頭領」として認識していたため。
・魔鎧の騎士ヒルトリウ:メイベルに比肩しそうな存在であるため。


>20に記載の2キャラクターも拝見いたしました。どちらも非常に生き生きした谷の住民像で、すでに愛着がわくだけに、今後どうなるのかと恐ろしいところです……ナジャは本当に良い女すぎる、そしてアクセルのコメディ要素は谷の清涼剤であること間違いなさすぎる、どうか無事に生きてほしい(願望)。どちらのキャラクターにしても、事前に確認したいことはとくにはございません。
今後の修正確認、物語の開始タイミング等も主様にお合わせ致します。物語が動き出した暁には、主様のご構想を邪魔しない範囲でこちらも積極的に展開を転がす予定です。よろしくお願いいたします。


:別件

>19にて、匿名様が軍人のキャラクターを構想中であることに際し、主様が言及しておられるのを拝見いたしました。
主様による物語の構想の都合上登場キャラクターが似通うのは望ましくない、ということであれば、参加者の自分はもちろん何も意見する立場にありません。が、万一当方への配慮も含まれているようでしたら、そちらはお気兼ねなさらず大丈夫です、と双方にお伝えさせてください。
主様も仰っているように、共通項があるようでいて別々の要素を持つキャラクターですし、万が一匿名様がそれをお望みの場合、ロヴァルの設定とリンクさせる、追加要素を付け足す、といったことも歓迎です。もちろん別々のキャラクターですから、接点などなく完全に分ける、というのも、互いの領域を守っていて良いことだと考えております。
とはいえ、いずれにしても主様のご意向次第、また許可の範囲内です。念のためとして、先にPFを提出した側の考えを記させていただきました。匿名様の目に触れるかわかりませんが、特筆事項等なければ、お返事は蹴っていただいて大丈夫です。)


  • No.22 by μ  2022-03-06 19:59:39 ID:09beb1e04



>21 ロヴァルPL様

( / いえ、細かい指摘にも関わらず全て完璧にご理解・ご対応いただき痛み入ります。追記事項も確認いたしました。4年前に手負いのロヴァルさんが谷へ辿り着いた際、熱心に看病したのがナジャ、という設定があると熱いかもしれませんね。これは主からの提案ですので、採用の可否はお任せ致します。

現時点では「魔術軍」という組織は存在する前提で物語を進めようと思います。軍の中の組織体系や階級制度にも問題ありません。少しだけストーリーの先取りをさせていただくと、人類側の戦力として「魔術軍」以外に「魔導騎士団」が存在するということだけ念頭に置いておいて頂くと動きやすいかもしれません。魔導騎士団は人類側の統率者である創世の魔術師イグツェンシアの私兵団という側面があり、彗星の騎士メイベルもここに属しています。細かいことは追々、騎士団の関係者が登場してからNPCの聞いてみて下さい。

また、>20のNPCをご確認いただきありがとうございます。イチイの谷という具体的かつ魅力的なスポーン地点をご提供下さったので、こちらとしてもとても楽しくキャラメイクさせて頂きました。彼等の行く末はトピ主に、そしてそれ以上にロヴァルさんの選択・行動に左右されるかと思いますので、どうぞお楽しみ頂けますと幸いです。

また>19についても言及いただきありがとうございます。恐れながら、PL様への配慮というよりはトピ主の想いとして、様々な素性・生い立ちのキャラクターがいた方がこの大陸に散りばめられた設定を一つでも多く活用・消化出来るのではという狙いがございます。一先ずは、匿名様のプロフィール提出を待ちたいと思います。

それでは次レスにて、エピソード・ロヴァルのプロローグおよび最初の場面を投下させて頂きます。何卒、今後とも宜しくお願い申し上げます。)


  • No.23 by ???&???→ナジャ  2022-03-06 20:21:50 ID:09beb1e04



>ロヴァル


【 エピソード・ロヴァル / Ⅰ.深碧のタリスマン / ユーダリル山脈付近のとある小屋 】


「……それは確かなのか?」

腕を組んで壁に背を預けながら、黒い布で口元を隠す暗殺者然とした風貌の女は猜疑的な目を相手に向けた。

「僕の魔法で隅々まで調査した結果さ。間違いないよ」

ボロボロの木製机の上にお利口に座る黒猫は、前足の一つで顔周りを毛繕いしながら自信たっぷりに返した。
それは声帯を震わせ届く肉声ではなく、どうやら直接女の頭へ響いているようだった。

「……。お前たちにメリットがあるという事は解った。だが我らが戦力を投入しリスクを冒してまでそれを破壊する見返りは?」

少しの沈黙の後、肉食獣特有の鋭い目を煌々とさせながら女は問う。
軽装の裾から伸びる斑模様の白い尻尾が相手を見定めるようにゆらゆらと揺れている。

「単純。あれさえ壊せば労せずともいずれ確実に谷を落とせるのさ。」

造作もないことのように言い張る黒猫の言葉に女は思わず鼻で笑った。

「兵糧攻めか。気長な話だな」

肩を竦める女。
黒猫は目一杯に身体を伸ばして肉球を開閉した後、女の方へ上半身を向き直り猫の目を不敵に細めて

「そうでもないよ?”狩人”はそれほど多くない。中でも驚異になりそうなのはたった7人――いや、一人殺したから今は6人か。しかも奴らは弱者を守りながら戦う。そして山脈の番人を掃除すれば…」
「レシエンタに繋がる侵攻ルートをひとつ増やせる」
「御名答」

楽しげな黒猫の即答、一呼吸分の間を挟んでから女の溜息。
それは苛立ちでも憂いでもなく決意の現れ。

「いつやる?」
「近々。まあ合図は出すからさ、いつでも戦れるように準備してて」
「…了解」


Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ


【 イチイの谷 / 墓地 】


いくつもの墓石が並び立つ墓地を吹き抜けた風が、女の赤毛をそよそよと遊ばせた。
風の精のいたずらに付き合うにしては暗い表情をして、ひとつの墓標を指先でそっとなぞり

「スタン……。」

今日は彼の誕生日で、生きていれば34歳になる筈だった。
その大切な名前を呼ぶだけで、普段は笑顔の裏に隠して押し殺していた悲しみが奔流になって押し寄せ、脳から視神経を犯し自意識とは関係なく一筋の涙が頬を伝い、

「…っ、アメリは、元気よ。」

ぐし、と手の甲で涙を拭って、努めて明るく発声しようとして酷使された喉は情けなくも震えた声を音に乗せ。

「お隣のおばあちゃんはいつも手作りのお菓子をくれるし、酒場のマスターだって仕入れた食材を二人分取り置きしてくれるし、ロヴァルだって――――」



( / いよいよ本編のスタートです。冒頭の文章はプロローグですので、スポーン地点はナジャと同じイチイの谷・墓地でお願い致します。今日がかつての戦友・スタンの誕生日だったということを覚えていて、墓参りにやってきたところ先にお参りしているナジャを見つけて…という体で絡みをお願い出来ますでしょうか。もし差し支えなければ、ナジャのセリフは冒頭から聴こえていたということにして頂けますと助かります。以上、今後とも宜しくお願い致します。)


  • No.24 by μ  2022-03-06 21:46:50 ID:09beb1e04



●お知らせ

現時点で人間での参加希望は一時停止。
既にご相談頂いている>9様と>18様は除く。
精霊・獣人・悪鬼での参加希望は募集継続中。


●参加者様リスト

Φ人間Φ

・ロヴァル / 男 / 36歳 / >21 / 現在地:イチイの谷(大陸東南部) 

Φ精霊Φ

Φ獣人Φ

Φ悪鬼Φ


●進行中のエピソード

・ロヴァル:Ⅰ.深碧のタリスマン >23


●NPCリスト

Φ人間Φ

・ナジャ / >20 / 生存
・アクセル / >20 / 生存

Φ精霊Φ

Φ獣人Φ

Φ悪鬼Φ


  • No.25 by ロヴァル  2022-03-06 23:02:38 



夢を、見る。
青白く、赤黒い、苦悶と怨嗟の声に満ち満ちた夢を。


「蛮族の蔓延る大地に安寧など訪れようか。粛清なき覇道に栄光などもたらされようか。
わかるな、ロヴァル・ノルドヴァル。貴様のその清き業火で、あの畜生どもを焼き尽くせ。毛の一本も残してやるな」

饒舌な語り口。才を見込んだ若者を誑し込んで虜にし、一つの方向へ狂奔させるそのカリスマ性。
自分もその魔性にかかった。あの時は、そうとわからなかった。
……わからぬまま、真の悪鬼の狗になりさがったのだ。


「いやだよ、おにい。お願いだから、行かないで。人殺しなんかしに行かないで!」

病床で珍しく身を起こし、やけにまっすぐな瞳を潤ませて語り掛けてくる妹。
しかしそれを、優しい言葉でなだめすかす裏で、こっそり唾棄してしまった。獣を人に数えるなど愚か者の所業だと、歯牙にもかけなかった。
……聞けば、よかったのだ。


「ひとごろし」

燃える眼で睨みあげながらも、やがて光を失い、動かなくなる獣人の女。
死期の息とともに吐きだされたか細い声だったというのに、殴られたような衝撃を受けた。
……そうして、突然目が醒めた。


己の青白い炎で焼き払った戦場。
あちこちに転がる、赤黒く爛れた死体。


気づいてしまった。そこからがまさに地獄だった。
後戻りできないほど手を汚してきたと自覚しているのに、それ以上狂気にかかっていることも最早できない。

純血の悪鬼に火を放つ。かつての己と同じ顔をした、怒り狂った追手たちを放たれる。
真っ白に塗りつぶされた真冬の山中を逃げる、逃げる、逃げる。
やがて闇が訪れる。だが、意識を失って尚、罪は苛むことをやめない。

夢を、見る。

青白く、赤黒い、苦悶と怨嗟の声に満ち満ちた夢。
自分が築きあげてきた、血と肉と骨の山、罪の大きさを夢に見る。
いっそこのまま死んでしまえと、己を呪う。
死んで楽になるつもりかと、怨念の声が糾弾する。

……夢になかった色を見たのは、そんな地獄の果てのこと。
鉛のように重い世界から、不意に浮上する意識。
霞む視界の端に映ったのは、痛みも、生々しさも感じさせない、夕陽のようなあたたかい赤だった。


Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ―Φ


>23 ナジャ


【 エピソード・ロヴァル / Ⅰ.深碧のタリスマン / イチイの谷 / 墓地 】


(『毎年こうしておまえらと飲んで、そんで帰ってナジャとアメリを抱きしめられりゃあ、俺はそれで満足なんだ』。誕生日を祝う席で朗らかに笑う戦友のその声は、いまだ鮮やかに、鮮やかすぎて残酷なほどに、己の耳に残っている。
今の己の有様は、それが理由だ。いつもの猟装束ではなく、仲間と飲むときに羽織る鈍色の麻衣。片手にはオンコ酒の瓶。落葉を踏み鳴らして向かう先は谷の墓地。天気が悪くなる前に、奴の眠っている墓石に、奴の好きなこの銘柄を手向けてやるつもりだった。ほらよ、飲んだろ酔っ払い。さっさと家に帰ってやれ、それ以上潰れてるようならてめえのケツを蹴り上げてやるぞ。……そんな憎まれ口をたたいて己なりの哀悼を捧げよう、そう考えていたのだが。

丘の上に見知った女の後ろ姿を見つけたとき、心算は霧散した。風に揺れる見慣れた赤毛、震える華奢な背、か細い声。だが耳の良い『狩人』には聴きとれてしまう。いつもは酒場で明るい笑顔を振りまいているその女、スタンの妻ナジャは──必死に堪えながらも、嗚咽していた。自分と同じように、否、自分などとは比べ物にならないほどに、あの男の、亡き夫の死を哀惜して。
逡巡。寄り添うべきか、「ふたりきり」にしてやるべきか。迷いながら踵を返しかけたが、自分の名を呼ばれた瞬間ぴたりと止まる。胸に広がる言いようのない感覚、決して負の感情ではない理由で顔が歪む。視線を下方でさ迷わせたのち、足音を隠さずゆっくり彼女に近づくと、驚かせないよう気を付けつつ、薄い肩にそっと手を置いた。彼女の性格は知っている、泣き顔は見られたくないだろう。スタンの墓石に目を向けたまま、彼女の心が落ち着くのを待つように、隣で静かに言葉を継ぎ。)

──俺だって、こうしておまえの宝物に困りごとがないか目を光らせてる。おまえはずっと、美人なナジャに言い寄る男に片っ端から決闘を言い渡してばかりだったからな。また騒がれちゃたまらない。
……ナジャ、もうすぐ雨が降る匂いがしてる。実際、少し降ってるみたいだ。酷くなる前に、アメリのところに帰ろう。

(言いながら、持参したオンコ酒の瓶を彼女の掌へ。スタンを惜しむ人間が他にもいることは、きっと多少なりとも慰めになるだろう。)


  • No.26 by ナジャ  2022-03-07 00:33:59 ID:09beb1e04



>25 ロヴァル

【 イチイの谷 / 墓地 】


「――――!」

ざくざくと墓地の湿った土を踏みしめる音に僅かに肩を跳ねさせる。刹那、そこに熱いと感じるほどの体温が置かれればゴシゴシと性急な仕草で涙を繰り返し拭って。
普段多くを語る印象のない彼からの温かい言葉に、拭えど拭えど止めどない涙をどうにかすべく、いつもはアメリの口元や遊んで汚れた頬を拭いてやるために携帯しているハンカチを取り出して目元に押し当て、数秒。

「ロヴァルさん…。……あはは、恥ずかしいところ見せちゃった」

振り返った時には気丈な笑みを浮かべることには成功していたものの、赤くなった目元からは痛々しさが抜けず。
手渡された瓶を受け取ってラベルをじっと見つめながら

「……ありがとう」

亡き夫の弔いを忘れずにいてくれること、そして悲しみに打ちひしがれる己を気遣ってくれたことに心からの謝意を。
噛み締めるように目を閉じ、ゆっくりと墓前に向かって屈みながらそれを供えて

「スタン、ロヴァルさんからの誕生日プレゼントよ。あなたの、好きな――」

それ以上言えばまた泣いてしまう。
本能的にそう感じてグッと口を噤み、立ち上がる。両手のひらでパン!と自分の頬を挟むように叩いて気合を入れ直してからロヴァルに向き合い

「そうね、きっとたくさん降るわ。…でも、こんな顔あの子に見せられない。目、赤いわよね…?」

アメリを墓参りに連れてきた事は未だない。何故なら、あの子を育てる過程で一度も見せていない泣き顔を見せたらきっと不安にさせてしまう。
今日はいつも通りにお隣さんにアメリを預けているためもう少しだけ油を売る時間はある。状況を確かめるように、おずおずとロヴァルを見上げて。


  • No.27 by 匿名さん  2022-03-07 10:32:20 



>19 μ様
>21 ロヴァル様の背後様

( / >18にて声をかけさせていただいたものです。丁寧な回答とご確認ありがとうございます、いずれも承知致しました。

ロヴァル様と所属の類似について大変失礼いたしました!ロヴァル様の背後様もご配慮いただき誠にありがとうございます。設定をリンクさせるというご提案は非常に魅力的なのですが、当方の未熟さ故ご迷惑をおかけしかねないため、今回は遠慮させていただきたく存じます。お優しいご対応ありがとうございました。

お時間を頂戴してしまい大変失礼いたしました、以下にPFを提出致します。
キャラ本人の目的は記載通りですが、メタ的な目的はやり取りを通して、彼がこの世界をどのように考えるようになるかという点を意識しております。
軍人キャラではございますが、これから現実に晒される未熟な青年であること、社会的なしがらみ、獣人族との今後の関わり方や意識などによりロヴァル様との差別化を意識致しましたので、御検討の程よろしくお願い致します。 )

名前 / ロイ=クラカウ
性別 / 男
年齢 / 21

容姿 / 背筋の真っ直ぐ伸びた大柄な青年。身長は180代半ば、若々しく引き締まり筋肉のついた恵まれた体格。黒髪短髪のオールバックで、彫りの深いグレーの目。飛び抜けた美形ではないが、豊かな生活を感じさせるハリのある精悍な顔立ち。魔道騎士団の正装をきっちりと着込み、真新しい軍服に似合わぬ高い階級章がエリート然としている。

特徴 / 固有魔法『誠実な盾』。物理攻撃に高い防御を誇る魔法障壁。腕や脚に部分的に付与し攻撃応用が可能、一度に張れる最大面積は3m×3m程度。常時発動不可のため、不意打ちや反射速度を上回る攻撃には無意味かつ、大型獣人族の狙い済ました一撃には劣るものの、破壊されても魔力がある限り張り直せるため時間稼ぎなどに有用。魔法は素通し。
その他、身体強化や基本的な回復魔法には適性があるものの、生活に使用する魔法は壊滅的に不器用。

性格 /
穏やかで何事にも真摯な努力家、常に誠実でありたいと望んでいる。少し真面目すぎるきらいはあるが、愛想は良く人並みに社交的で友人は多い。
自身が恵まれた環境にいる自覚が高く、家族や友人のことを非常に大切している。軍人家系という生い立ち上、獣人族を憎悪する者達との関わりが多く、実際に顔見知りが戦死した経験もあるため、獣人族全体へは良い感情はない。
その一方で、最初に虐げたのは人間であることを理解し、罪のない女子供にまで手をかけることに葛藤がある。
裕福に育てられた代わりに、戦うすべの無い人々を守る義務があると教えられて育ち、常に相手の貧富を問わず親切にあろうと心掛けている。家柄と勘違いを起こさせがちな言動も相まって、女性からアプローチされることもあるが本人は至って清廉、といえば聞こえはいいが、融通の聞かない堅物で、寝所の女性に恥をかかせるような事態もしばしば、時たま友人達にからかわれて恥じ入っている。
良くも悪くも若さゆえの潔癖が滲む理想主義的なところがあり、それを押し通せずに手を汚すことに過大なストレスを感じる。時に自己犠牲に陶酔するような危なっかしい面も。
全ての種族やこの世界の何事にも対して、優等生的な解答は述べるものの、いまやっと踏み出したばかりであり、自らの目を通して知っていくのはこれからである。

目的 / 弟妹を主とした家族や友人の物理的、社会的な安寧と幸福を守る。(そのためにクラカウの名に恥じぬ戦果を残し、人間社会で出世し身を立てること。 )

得物 / 騎乗中に使用する槍・腰に提げた剣

ユアストーリー /
第一首都セント=アグナル出身。家族構成は両親と7つ下の妹に9つ下の弟。
獣人族との戦争にて長年、華やかな功績を残してきたクラカウ家の長子として産まれる。幼少期から次期当主として教育を受け、優秀な成績で士官学校を先日卒業、少尉として魔道騎士団に入団が決まったばかり。父や祖父、さらにその前の代の男たちもそうだったように、迷うことなく軍人の道を選び、大切な人達を守るため戦えることに大いに希望を抱いている。
幼少期、父について前線に近い街を訪問した際に、父の目を盗み遊んでいた現地の子供達に、今思うと獣人族の子だったのではないかと思える特徴が幾つか思い出される。それ故に獣人族が絶対悪でないという思想があり、獣人族の存在そのものへの嫌悪には疑問を残している。この戦いが双方の復讐によるものであり、新たに禍根を生み出し続けている悪循環だとしながらも、槍を振るうのは咎なき同胞を守るためであり、また下記の事情が大いに影響している。
妹は生まれつき心臓が悪い。クラカウ家が困窮し高価な薬が買えなければ死に直結するだろう。それ故に老いていく両親やまだ幼い弟の代わりに、自ら出世し家を守ることを何よりの目標としている。それ以外にも首都を中心に関係の良い親戚や友人は数多く、現状を変えるために全てを投げ出すには大切な者達が多すぎて、今の道を進み続ける以上 清廉ではいられなくなっていく。

物語性重視を希望。恋愛対象は異性のみですが、ブロマンス的な関係は〇、他参加者様との交錯は御相手様がよろしければ可能です。
出会ってみたいNPCは、人間社会でのしがらみとなる親友や、婚約者がいても違和感がないです。 尊敬する上司や先輩、幼少期に遊んだ獣人族の子or現時点で子供の獣人族が思い当たります。

参考 /
創世の魔術師イグツェンシア、彗星の騎士メイベル→上司、先輩としてお会いしてみたいです。

  • No.28 by μ  2022-03-07 14:27:05 ID:09beb1e04



>27 ロイ=クラカウ


( / プロフィールのお披露目ありがとうございます。個人的に好んでいる某国内映画の台詞に「出世は男の本懐だ」とあるのですが、家族の保全のために名を上げんとするロイ君の男気に天晴です。心から拍手を贈りたい。こういった志を持つ若い人間は軍にも騎士団にも多くいるのでしょうが、その中で「英雄」と世に認められることとなるのはほんの一握り…果たしてロイ君が紆余曲折を経ながらもその栄光の架橋を見つけ出せるのか、とてもわくわくします。

不備というわけではありませんが、魔導騎士団における基礎設定(軍服があるかどうか、階級があるかどうか等)、未だ公式設定に記載していない事柄・設定について登場させる際は、今後は事前にご確認頂けますと幸いです。本件について、以下の通り補足します。(また表記について、細かくて申し訳ございませんが ×魔道→◎魔導です)

・魔導騎士団にも階級制度はあるが軍とは呼称が違う
・制服も軍服ではなく、また階級章も存在しない
 ∟みな指定の鎧を身に着けており、その色で階級が分かる。新入りつまりロイ君を含む一般騎士は青銅色の鎧。そこから赤銅色<銀色<黒鉄色<白色と階級が上がる。彗星の騎士メイベルは白い鎧に身を包む。
・武器欄に「騎乗中に~」とありますが、魔導騎士団の中で馬を駆ることを許されているのは一定の階級以上で戦闘経験を積み実力を認められた、限られた一部の精鋭のみ。また魔導騎士団の馬は哺乳類のそれではなく、【アレイオン】と総称される特殊な魔導生物(魔導生物=大陸では創世の魔術師イグツェンシアおよび賢者アグナルしか精製出来ないとされる人工生物。魔法を行使するための原動力となる魔力を糧として活動し、主であるたった一人の騎士の魔力によってのみ縦横無尽に駆動する)。
 ∟つまりスタート時点では相棒となるべきアレイオンを未だ持たないということになります

また、魔導騎士団に属するということは、イグツェンシアの私財からお給料を頂いている事となり、従って組織特有のしがらみを大いに受けることを意味します。葛藤の末 自由に動くことも出来ますが、それ相応の代償を伴う場面が多々あると予測されます。それはそれで大いに冒険を盛り上げるカンフル剤にはなると思うのですが、念の為事前にご了承を得ておきたく。
ここからは追記のお願いですが、御存命でありロイ君の戦いの軸ともなる御家族それぞれのお名前を教えて頂けますでしょうか。こちらで決めてOKとのことであれば、その旨お伝え下さい。
最後に、出会ってみたいNPCに婚約者というロールがあり非常に興味深かったので、ぜひスタート時点で婚約者像を明確にしておければと思います。つきましては早速NPCプロフィール作成に取り掛かりたく。婚約という深い繋がりを持つNPCですのである程度PL様のご希望を反映しておきたく、性格や容姿・思想についてのリクエストがあればお伺いさせて下さい。

既にいくつかのストーリー構想が浮かんできておりますが、魔導騎士団の内容についてはプロフィールの修正を余儀なくされる部分の為、お気持ちが変わった際には遠慮なく仰って下さい。以上、今後とも宜しくお願い致します。)


  • No.29 by μ  2022-03-07 15:11:12 ID:09beb1e04



>27 ロイ=クラカウ


( / すみません、伝え漏れがありましたので追記させて頂きます。人類のために戦おうとして都営の「魔術軍」ではなく私営の「魔導騎士団」を選んだということは、ボスであるイグツェンシアの意向に沿って動くことを是とすることになります。つまりイグツェンシアに絶対の忠誠を誓った騎士、ということです。こちらの点にご了承頂けるかどうかも重ねてご確認させて頂きたく。以上、今後とも宜しくお願い致します。)


  • No.30 by ロヴァル  2022-03-07 17:21:38 



【 Ⅰ.深碧のタリスマン / 02 / イチイの谷 / 墓地 】

>26 ナジャ

気丈さを取り戻しつつも、泣き腫らした目で見上げてくる彼女。……あいつなら何と声をかけたのだろう、という一抹のやるせなさが湧き、薄らと目を細めてしまう。
陽気で口の回るあいつなら、彼女をよく知るスタンなら。何か、彼女を少しでも破顔させられる冗句のひとつでも言えたのだろうが。

「……もうしばらくすれば、わからなくなるさ。大丈夫だ」

表情を和らげながら低い声で吐き出せたのは、せいぜいが労りを込めた気休め程度。
どの道自分は、あの男になれるわけではない。数年前からわかっていた、今更ですらある話だ。だから、これでいいのだろう。

「じきに暗くなる、ひとりでいるのは危ない。
もしまだ時間があるなら、ビリエル爺さんに頼まれた使いに少し付き合ってくれないか」

彼女の肩から手を離し、背中から取り外した背嚢の中身を軽く見せる。
中に入っているのは干し肉や茶葉、角砂糖にウイスキー、紙巻き煙草といった品々。

谷の端の小屋に一人で住んでいる齢80の老人は、2年前に足を悪くしてから外に出たがらない。だから普段、彼の面倒を見ている自分や他の狩人がこうして代わりに買い物をして、老爺の家に届け物をする。
会いに行く度、彼が酒場を懐かしむのを、自分はよく知っている。

ナジャの顔を見れば、爺さんは喜ぶだろう。
彼女の方も、ここからしばらく歩く間に多少は落ちつくだろうし、爺さんの笑顔につられていつもの調子を取り戻すなはずだ。顔を洗いたければ、途中の小道の脇に沢もある。

見上げれば、空は暗灰色に曇り始めていた。本当に降り出す前に、森を抜けて谷の麓に降りた方がいいだろう。彼女の方を見つつ、促すように先に歩き始め。


  • No.31 by ナジャ  2022-03-07 18:19:39 ID:09beb1e04



【 イチイの谷 / 墓地 → 谷端への道中 】

>25 ロヴァル


「……うん。そうよね、ありがとう」

幾分か柔らかくなった彼の表情を見ると、こちらの心を締め付けて止まない悲しみの茨が少しだけ緩む気がする。
決して偽善の押し付けなどではない、心地よい塩梅の前向きな言葉をかけてもらえたことを無駄にしないよう、わずかに頷き”大丈夫、”と心の中で言い聞かせ、もう一度笑って。

「ああ!お爺ちゃんのところに行くのね。狩人さんの足にはとてもついて行けないから足手まといになるかもしれないけれど…、それでも良ければぜひご一緒したいわ」

ビリエルの名を聞いた瞬間にパッと表情を輝かせて、唇の前でぱちんと手を打ち鳴らし。
絵に描いたような好々爺であり人生の大先輩でもある彼に会えば、きっと打ち消しようのない深い哀しみとの向き合い方も分かるはず。そうでなくとも元気を分けてもらえること請合だろう。
ただ心配なのは己の体力が谷の往復分保つかどうか。否そこは気合で何とかしようと決心して、先導するように歩き出した彼を小走りで追いかけ肩を並べて

「狩人の皆さんはイチイの谷に欠かせない存在だなあって心から思うの。こういう時もそうだし、獣人や悪鬼からいつも谷を守ってくれて……。感謝してもしきれないわ」

その感謝の中には、忙しいだろうにただの村人Aである自分のことすら気遣ってくれる彼の人柄に対する暖かい気持ちも含んで。
勿論、狩人衆は戦いの最前線に立つ者であり、同時に谷を守るための最終防衛ラインの番人でもある。命を張ってくれる彼等に、そしてまさに隣にいる彼に対して感謝と同時にふと疑問も湧き

「聞いてもいいかしら。……ロヴァルさんはどうして狩人になってくれたの?」

4年前の大雪の日、手負いの状態で迷い込んできた彼を初めて見た時のことを思い出す。
なぜ怪我が治っても谷に残ってくれたのか?純粋に相手のことをもっと知りたいという興味から、ふと横顔を見上げて。


  • No.32 by >18  2022-03-07 18:52:32 



>28 μ様

( / ご確認ありがとうございます。某怪獣映画でしょうか、此方もあの男社会の浪漫感じる台詞は大好きです。
魔導騎士団について、設定の捏造と誤字 誠に大変失礼いたしました!以後気を引き締めて参ります。
魔導騎士団は新人は一律同じ階級になることを受けまして相談なのですが、ロイの設定に"エリート出身の優等生"または"身の丈に合わぬ階級や立場"という設定をどこか入れたく、魔導騎士団においてそれは可能でしょうか? 階級が細かくない組織とお見受けしますので、階級以外で入団試験などがあればその成績が優秀だったなどは可能ですか?チートがしたい訳ではなく、ロイ自身が期待や成績に見合う戦果を残そうと少し背伸びをして無理をするような立ち回りをしてみたく、該当する設定があれば御検討頂きたいです。
騎乗についても承知致しました。こちらはPFを提出する際に、騎乗中の表現は削除させていただきます。

また、魔導騎士団のしがらみについてですが、ロイに関してはわざとしがらみの多い設定を考えております。本人は未熟であれど体格や健康に恵まれ、1人であれば信念にそぐわぬ人間の居住地域を飛び出しても生きていける人物でありながら、これ迄自分を助け癒し導いてくれたしがらみを捨てては行けずに、行き詰まり人間社会の中で苦悩するキャラクターの想定です。
追記に関しましても、騎士として一般的なレベルでの滅私奉公・非道な決断を強いられる程度であれば上記の理由で問題はございません。もしそれ以上に特殊な信念を公的に掲げている設定などがあれば教えて頂きたいです。

御手数ですが、ロイの家族の名付けについてはお願いしてもよろしいでしょうか。もし口頭に登るのであれば、親戚の関係も動かしやすいようにその場で作っていただいて問題ありません。
最後に、こちらの希望NPCを拾っていただきありがとうございました。婚約者については、家に決められた同士、双方激しい恋慕では無くとも穏やかに関係を築く努力をしてきたというイメージです。思いもよらぬタイプの女性の方が、自分で選んでいない相手へのロルに深みが出そうですので、μ様の動かしやすいようにお好みで作っていただきたいのですがよろしいですか?

お願いばかり長文で失礼いたしました。上記の確認が取れ次第、PFを再提出させていただきます。
よろしくお願い致します。)

  • No.33 by μ  2022-03-07 19:39:11 ID:09beb1e04



>32 ロイPL様

( / こちらこそお返事ありがとうございます。ご相談について以下回答します。

・スタート時における魔導騎士団でのポストについて
 →如何にスコアが優秀であれそれはあくまで入団する資格の有無を測るためのものであり、新入りに与えられる鎧の色は一律で青銅です。が、稀に一足飛びで赤銅が与えられる場合、つまりエリートな新人騎士が存在するケースがあります。それは騎士団の創始者たるイグツェンシアに心からの忠誠を寄せていた場合です。忠誠という言葉で片付けるには生温い、崇拝の域に達していると面接で判断された者のみ、極稀に一年目から赤銅を着ることが許されます。イグツェンシアへの忠誠心の強さこそ、魔導騎士団における一つのエリートの指標でもあります。
 →ですので赤銅から始める場合は、PFの性格およびユアストーリー欄に「イグツェンシアを心底崇拝している」要素と、「なぜイグツェンシアを崇拝するに至ったか」という背景を記入頂く必要があります。
 →或いは、鎧は青銅ですが入団前の成績では今期主席であった、として頂くのもOKです。

・魔導騎士団の束縛について
 →魔術軍を含むどの組織でもそうですが、トップダウンの命令には絶対服従です。それは魔導騎士団においても同様で、イグツェンシアの言葉には絶対服従を前提とした組織です。それが騎士として一般的かどうかは、現時点では明言出来ません。
 →また魔導騎士団に最初から籍を置く場合、イグツェンシアへの忠誠を決意した旨とその背景をPFに追記頂くこととなります。「クラカウ家は代々魔導騎士団に身を置きイグツェンシアに仕えており、ロイもその血筋を受け継ぎ何の疑いも反感もなく敷かれたレールのままに魔導騎士団へ入った」という設定も可能ですが、いずれにしても忠誠心は不可欠です。

 これはトピ主の私情ですが、魔導騎士団を最初から公式設定に書かなかったのは、魔導騎士団としての参加を希望する方を抑制する為でもありました。何故なら、上述の内容でご理解頂けたと思いますが、魔導騎士団は非常に束縛の強い設定であり、PL様のキャラメイクを著しく断定・制限してしまう属性の組織だからです。恐らくロヴァルPL様へのお返事で老婆心から出してしまったワードを拾われたのだと思いますが、これは迂闊でしたね。お手数をおかけして申し訳ございません。

クラカウ家の名前については承知いたしました。婚約者のキャラメイクについての想いは>28でお伝えした通りなのですが、お任せ=どのような設定でもOKということでしたら此方で一から構築させて頂きます。以上、今後とも宜しくお願い申し上げます。)

  • No.34 by >18  2022-03-07 20:08:24 



>33 μ様

( / 丁寧なご回答ありがとうございました。

ご回答を最後まで読ませていただき、魔導騎士団が特殊な立場にあること理解致しました。ロヴァル様との類似しない方が宜しいかと邪推し勝手に設定させて頂きましたが、今からでも魔術軍の方に設定を変更させていただきます。こちらこそ何度もお返事していただいたにも関わらず、お手数おかけして申し訳ございません。
その場合、軍服や騎乗、階級の他新しく変更するべき箇所はございますでしょうか?

また、婚約者のキャラメイクについてそう仰っていただけるのであれば、強いて好みを申し上げますと、ロイより1,2つ年上のおっとりしているよりは、さっぱりと明るく強い女性が好みであります。軍人の妻として時に旦那より胆の座っているような豪胆な女性ですと非常にタイプです。
どうぞ宜しくお願い致します。)

  • No.35 by μ  2022-03-07 20:28:08 ID:09beb1e04



>34 ロイPL様

( / こちらこそお返事ありがとうございます。まずお先に、婚約者のキャラメイクについては承知いたしました。そして職業の件で繰り返しになってしまい申し訳ないのですが、トピ主の想いとしてやはり同陣営・同種族の参加者様の素性が被るのは出来る限り回避したく。戦果を上げて立身出世を目指す戦士という初期設定を入れたいのであれば、現段階PFの魔導騎士団に関する箇所を、「魔術軍の手が足りない時のみ依頼を受けて出張ってくる傭兵団の一員」等の設定に置換していただくのは如何でしょうか。もしくは他にアイデアがあればぜひお聞きしたいのですが、いずれにせよ現時点でPL様が直感的に望んだキャラメイクを換装いただかなければならないことに変わりはなく、申し訳ございません。未だ未熟なトピ主が作り動かす世界でございます。重ねて申し上げますが、お気持ちが変わった際は遠慮なく仰って下さい。)

  • No.36 by ロヴァル  2022-03-07 20:38:18 


(/度々失礼します、ロヴァル背後です。現在休憩時間につきお返事のロルを打てない状態ですが、取り急ぎの書き込みをしたく。
当方はロイ背後様のご参加を(キャラが直接絡まずとも、同じ世界で遊ぶ者として)当初より心待ちにしておりました。
なので相談なのですが、特に身分について特別こだわりのないロヴァルの方を軍以外の所属に変更する申し出をしたいのですが、如何でしょうか……?
御二方に気を遣わせてしまうかと思いもするのですが、ロイのキャラクターがとても美味しく、それには何かしらのれっきとした軍属要素が欠かせないと思うのです。
いずれにせよPF中で軍曹なのか少尉なのかブレていたため、修正が必要と感じておりました。ロヴァルの方の美味しい部分は傭兵などでも成り立つと思いますので、宜しければご検討頂きたく。)

  • No.37 by μ  2022-03-07 21:03:36 ID:09beb1e04


>36 ロヴァルPL様(cc:ロイPL様)

( / 重ね重ね恐縮です。ご配慮、痛み入ります。PL様がそう仰るのであれば、本件についてはトピ主として異論ございません。ロイPL様のご意見をお待ちしようと思います。個人的な感覚では、32歳時点のロヴァルさんが少尉だったことを基準とすると、エリートであることを鑑みても21歳のロイ君は士官候補生という意味合いで准尉・軍曹辺りが妥当かなと思っております。)

  • No.38 by >18  2022-03-07 21:13:00 



>35 μ様
>36 ロヴァル背後様

( / 重ね重ね何度も本当に申し訳ございません。
ロヴァル背後様におかれましては、お忙しい中ご自身の本当に魅力的で素敵なロルの最中に、後からやってきた設定被りの当方に何度もお心を割かせてしまいなんとお詫びを申し上げれば良いか分かりません。

μ様にも何度も素敵なご提案を頂いている身で非常に申し訳ないのですが、最初に申し上げた人物像の通り、代々続く軍人の家系という設定はロイの根幹にあたる譲れない点です。
しかしロヴァル様のために考えられた設定を横取りして変えていただくというのは、ロヴァル様のロルを楽しませて頂いている身としても絶対にあってはならないことと考えております。そうなるのであれば、とても素敵で素晴らしいトピックで誠に残念ではございますが、今回はご縁がなかったと見学させていただく所存です。

その上でμ様にお伺いしたいのですが、首都限定の警備隊を登場させることは可能でしょうか。軍系統の組織を乱立させるのは如何なものかとも思ったのですが、魔導騎士団や魔術軍よりは小規模な治安維持を担う警察組織に近い組織を想定しております。
至らない点ばかりでご迷惑おかけして心苦しいのですが、本当に好みどストレートのトピックでして諦めがつかず……。
こちらこそ、このやり取りの最中に相性が悪いと思われた場合はご遠慮なく仰っていただければと思います。御検討よろしくお願い致します。 )

  • No.39 by μ  2022-03-07 21:54:35 ID:09beb1e04


>38 ロイPL様

( / 此方こそ何度もありがとうございます。第一・第二首都ともに、人族の統制を図るという意味でも治安維持は(統率者イグツェンシア直轄の)魔導騎士団の仕事と設定しておりましたが、その下請けという意味合いであれば、人口の多い第一首都セント=アグナルにのみ根を下ろす独自の警察組織を増設するということで問題ありません。組織名称はSt.に因んで【聖自警団】で如何でしょうか。イグツェンシアの私兵団傘下の組織と言えどもお給料は都民の税金から賄われているということにしておけば魔導騎士団の呪縛は緩和出来ますし、何より聖自警団の管轄はあくまでセント=アグナル内のみですので滅私奉公の色は大陸内を駆け巡る魔導騎士団よりも格段に薄れるかと。階級については、日本の警察組織を踏襲すると少しファンタジーのイメージから遠ざかってしまうので、トップは自警団長、次いで副団長、その下に第一~第三実働部隊があるとして、一実働部隊に大凡20人程が在籍しているとするのは如何でしょうか。ロイ君に置かれましては、異例のジャンプスタートとしてどこかの実働部隊の隊長として新人配属される…とすればPL様のご希望は叶えられるかと。こちらの内容でご納得頂けるのであれば、お手隙の際にリニューアルされたPFを一度お披露目頂ければと思います。以上、御検討の程 宜しくお願い致します。)


  • No.40 by 匿名さん  2022-03-07 22:54:31 

(/ 素敵な世界観、また主様のお力を借りてキャラクターの世界を構築していくことに惹かれ、只今pfを作成させて頂いている者です。
幾つか質問を失礼します。

・人間、獣人に関しては両親がおり子が出来ると解釈しているのですが、精霊、悪鬼に関しても同じように繁殖しているのか
・同じ得意属性を持つ精霊同士で魔法の強さに個体差はあるのか
・現在「シルフ」という精霊をベースにキャラクターを作成しており、身長は人間の少女程度なのですが、ピクシーの様に小人である方が望ましいのか

以上です。ご回答頂けたら幸いです…)

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