匿名さん 2022-02-28 09:51:16 |
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( 何事もなかったかのように、平然とその場を去るつもりだった。これまでもそうしてきたのだから。一晩泊めて貰って、また次の場所へと移動して、たまには野宿や漫喫へ。迷惑をかけないためにも、停泊はしていなかった。ところが、今目の前の彼女は引き留めてきてくれた。「朱莉さん。邪魔になりませんか?家賃のことまで。申し訳なさすぎます」昨日会ったばかりの相手をどうして長期泊めていてやろうと思うのだろう。これが他の人に対してもそうだとしたら、如何せん警戒心が薄すぎやしないだろうか。頭の中で様々な考えが駆け巡る。しかし、結局そのまま出ていくことは考えに及ばなかった。「物好きな人ですね。それに、随分とお人好しで。俺のこと、怖いとは思わないんですか?もしかしたら、ずーっと長居してしまうかもしれないのに」どんな風に考えているのか、少しばかり気になった。触れるのはいけない。彼女の手を外させようとはせず、荷物を下ろすことで提案への賛同を示して )
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