「...なあ、さっきから誰かと間違えてないか?」 (「妹」という言葉を聞いて、思わず立ち止まり、上体のみをそちらに向ける。続いて「そうだろ」と低く圧を込めて口にする。これは彼女なりに、これ以上関わるな、引き返せなくなるという忠告のつもりだった。妹がいる誰かと人違いをしている。そうでなければ、私は彼を見過ごすことが出来なくなる。)