保健室の先生 2022-02-13 22:37:37 |
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───ッへ。
( 優しい彼の事だからきっと、大丈夫?なんて心配の言葉は掛けてくれるんじゃないかと予想していたがそれを遥かに上回る言葉が降りかかり思わず間抜けな声が漏れる。反射的に彼へと視線向ければ、彼も自身の予期せぬ言葉に驚いている様子だった。きっと何とかしてあげたいという強い親切心から、思いがけない台詞が溢れてしまったんだろう。そんな可笑しい状況に笑いが込み上げてきて、ふっと吹き出してしまう。 )
…っふふ、十矢くんには敵わないなあ。
( 誰かに秘密を打ち明けたことは勿論、治してやると公言してくれた。全てが初めての経験なだけにどう対応するべきなのか正解が分からないが、これだけは言える。嘘でも真でも心の底から嬉しかった。真っ暗で先の見えないこの不治の病を明るく照らしてくれたのは紛れも無く目の前にいる彼で、わたしが彼の立場なら咄嗟に治すなんて言葉が出てくるだろうかと一考する。きっとわたしには出来ない、そう答えが出たからこそ敵わないという言葉が漏れた。治す立場であるわたしが高校生の彼に治してもらう状況なんて、本来ならみっともないが。 )
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