従者 2022-01-24 11:58:50 |
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>17 レスター
( もう年端の行かぬ子供ではないが、長い廊下と静かな夜はなんとなく不安を煽るもので、部屋に戻るための歩みも早くなる。ぐん、と引かれる感覚に目を見開くも、突然の衝撃に声も出ず、守衛を呼ばなければと気がついた頃には、既に背は壁であり、逃げ場などなかった。ジラードの家に生まれた以上、想定できた結末である。大した護身技術もない自分の力では、もはやどうしようもあるまい。訪れるであろう死や痛みの恐怖を、目を伏せ、眉間に皺を寄せて待った。が、いつまでたっても訪れない衝撃、そして聞き間違えるはずもない愛おしい声に、息を吐いた。 )
・・・レスター、貴方でしたか。
ああ、そうね、謝らなくてもいいんですよ、殺されるのがあなたならば。
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