▼ 原石 ［ wrwrd ］

そ、そこはzmさんが謝るところちゃいますやん！　そんなん言われたら、こっちの立つ瀬が無くなってまうわ。zmさんには敵わんなぁ、ホンマ……。

(　怪我への無頓着さに思うところがあったのは確かだが、ここで謝るところが律儀というか素直というか。思わずこちらが慌ててしまう。そんなところがなんというか、いい奴で可愛い奴だと思ってしまうのだから、これには参った。くしゃりと頭を掻くと、僅かに眉を下げて微かに笑い。飲み込んだ筈の苦い思いも、掛けるべきだった言葉も、しかし存外相手には伝わっていたらしい。妙に擽ったいような気分に襲われ、そんな意識を誤魔化すかのように視線を他所へと反らし　)

ふ、命拾いって大袈裟な。はぁい、どうぞ召し上がれ？

(　準備した食事にありつこうとお互い席につくと、思った以上の好反応に目を丸くした後、次第にゆるゆると眦を緩めていき。ここまでいい反応をされては、作り手冥利につきるというもので。まだ一口も料理を口にしていないうちから、不思議と胸が満たされていくようだった。ふっと空気に溶けるような、小さな笑い声がつい溢れて。相手に倣って一言、いただきますと小さく唱えてテーブルの上に視線を落とし。まずはスプーンでオムライスを掬い。空腹感を助長させる香りが間近に鼻孔に届くと、食欲に逆らわずそのまま一口。調理中に味見は済んでいるので、お味の方は言わずもがな、悪くない出来じゃなかろうか。もぐと片頬に頬張りつつ、何の気無しに相手の反応を窺おうと視線を上げて　)