▼ 原石 ［ wrwrd ］

……ファッ！？　お、お早いご到着で。ちゃ、ちゃうんすよぉ。これはその………これもご内密に～ってことで、ここは一つ

(　夜間の静けさに取り込まれ、細々と煙を立ち昇らせつつ気が緩んでいたところに突然の声。反射的に肩を飛び上がらせて、喉からは短い悲鳴が情けない響きとなってまろび出た。そろりと振り向いて互いに目が合えば、彼のその笑顔が恐ろしい。所在無さげに視線を泳がせてあれこれ言い訳を模索していたが、しかし現場をばっちりと押さえられているとあっては、こればっかりは言い逃れは出来ない。自己弁護もそこそこに、へらりと誤魔化し笑いを浮かべて下手な愛想で乗り切ろうと　)

……っていうか、何してんの！？　手ぇ火傷するやん。セルフ根性焼きなんて洒落にならんて、ちょっと見してみ

(　俄にはっとして、彼の手によってひしゃげた煙草に呆然と視線を落とし、驚きに満ちた声を上げて。本を正せば自分の行いのせいではあるが、しかし万が一火傷でもしていたら大事だ。慌てふためき、彼の手首を緩く掴まえて掌を開かせようと　)