信仰布教人 2022-01-20 11:29:51 |
通報 |
(眩い朝陽に照らされた蒼深い森の一角に静かに佇む小さな教会、何処からか聞こえる鳥の囀りに川の流れゆく音、穏やかな木漏れ日。揺蕩う心は夜の帷に置いてきてしまった者達は眠りから覚めて、今日の安寧を願う。口減らし蔓延れど、尚楽にはなれぬ場所で。だが彼にとっては違う。嫋やかな気持ちで始まりの朝を迎え、軽やかな足取りで聖杯堂へと赴く。ホワイトブラウンの滑らかな髪を靡かせて、澄んだ青空の瞳は煌びやかに瞬き、なんとも慈愛に満ちた微笑みを浮かべた姿はまるでこの世の者とは思えぬ出立ちで。高く広い天井画には神々や天使が描かれており、色彩豊かなステンドグラスから差し込む数多の光がそれらを更に着飾る。美しい、との表現だけでは言い表せられぬ華やかで清らかな空間でただ一人大理石の床を硬い靴底の音を響かせながら神の前へと跪く。四肢を十字に磔にされたイエスへ言葉のない信仰を、組み合わされた掌の内に禍々しく黒曜の影が宿っていると知られもせず。真っ赤に咲いたアンスリウムが小首を傾げる、とある訪問者を待ち構えるように。「──シータ、ガブリエル、おはよう。アマンダ、ローリー、おはよう。」小さき友人が戸を叩き重々しい扉が開くのを合図に、水深の中で何処までも呑まれて行くような落ち着いた声色で男は呟いた。白衣を纏った数名の子供たち、正確には中には十代から二十代までの若者で皆国籍も肌の色も異なっている。瞳は何処か虚でとても肉付きの良い身体とは言えないが、それでも貧困により痩せ細った身体とも違う。衣食住を与えられた子供達は苦を感じさせぬ微笑みを浮かべ挨拶を返す、至って平和な風景なのに何処か歪で異様。”今日も幸せな一日を“そう続けて発した言葉に子供達は頷き、それぞれ均等に並べられた長椅子へと腰を掛けた。皆が神へ祈りを捧げている間もざわざわと風が木の葉を揺らす音が開かれた扉を介して聴こえてくる。何故だか今日は普段とは異なる出来事が起こりそうな、そんな予感に徐に男は立ち上がり扉へと歩み寄って行く。一つ足を踏み込むたびにきめ細やかな白銀のローブがカーテンレースのようにゆらゆらと尾を引き、光の方へと進む。扉の向こうは広い庭園となっており、その遥か奥にはアンティーク調の鉄格子の門が。普段ならば閉鎖されたその門へ歩み寄り静かに開けば、そこに一人佇む見慣れぬ男性へ穏やかに声を掛けて。)
おはよう。──そして初めまして、昨夜の大雨で山道は大分荒れていたと思うけれど大丈夫でしたか?
(/初回でしたので確定が多くなってしまいましたが以降は展開に合わせて行く予定です。ロルの形式や文字数など自由にされて構いませんのでやり易いようにお願い致します、また読みにくい等御座いましたらご指摘願います。お返事もいつでも構いませんので、ゆっくり始められたら幸いです。改めて宜しくお願い致します。)
トピック検索 |