トラノコ 2022-01-01 18:33:42 |
通報 |
ゾロ
気持ち良く甲板で眠っていたというのに突然の浮遊感に叩き起され、知らぬ森に放られた。己の身に起こった不可解な事態に困り果てていた頃に現れたのはまだ幼さを感じさせるおれの恋人だ。なんでも起こり得る海に長くいたからかそこまで驚きはしなかったが、目の前のヤツは違うらしい。確かこの頃はどこか一歩引いて付き合っていたなと思い出しながら戸惑う若いコックに懇切丁寧に説明してやりながら、遊んだ。いつもは押され気味なのだが状況を飲み込みきれてない男は面白いほどおれに翻弄されている。新鮮で面白い。木の幹まで追い込んで逃げられないように両手で逃げ道塞いで、髪や首筋に口づけていく。すると、俯いていた顔が上がって真っ赤なコックがおれの名を呼んで引き寄せられて口に柔らかいものが当たった瞬間に眩い光に包まれて目を瞑る。それが晴れた頃にはとんでもなく嬉しそうな見知るコックと抱き合っていて、短時間で、そして至近距離で可愛い表情を見てしまったからか、見惚れた。するりとコックの首筋から頬へ両手を滑らせ
「ただいま」
そう返すと、胸の内に抱いた愛おしさを伝えるようにその唇へ口づけた
トピック検索 |