とある版権 2021-12-29 20:19:26 |
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(深く視線が交錯したかと思えばバタバタと音でも聞こえてきそうな大慌て、期待通りの反応に言葉こそ返さなかったものの満足げに去りゆく背中を見送って。真っ赤に色付く頬と豊かに揺れ動く表情が鮮明に記憶に刻まれ、部屋に静けさと共に残されてからもふと相手のことを思い、ひとり口端をふっと緩ませ。委員会の雑務を再開する指先は、どこか機嫌良く順調に___)
。。。
(突然の贈り物から少し経った頃、借り物である風呂敷と空になった容器がやけに目に付くように。手作りの品は正直なところどれも美味で、礼を言っていなかった事実が居心地悪く背筋を這うようで己らしくもなく。放課後の賑わいの中、それらを手に唐突に相手の教室を訪ねると遠慮なく扉から顔を覗かせて誰に声を掛けるでもなく呼び掛けて。珍しく記憶に残っていた相手の情報を思い浮かべつつ、周りの反応にも無頓着にあっさりとした愛想の無い声音で)
……ねえ、犬巻透、いる?用があって来たんだけど。
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