匿名のなめ 2021-12-25 22:01:06 |
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(仄かに聴こえてくる壮麗な音色で目覚めた。夢を見ていたはずだが何も思い出せない。流石に初日とあって一応は警戒し、仕事明けにも拘わらず浅い眠りにとどめていたせいだろうか。
倦怠感を覚えながらもブランケットを軽く?いで半身を起こし、手始めにゆったりとした一服。朝食後に吸うつもりの二本目も予め取り出したところで、壁の向こうで流れる音楽にふと意識が向く。なんだったか、バレエ曲の……眠れる何たらのワルツだったか。再生しているのは当然ペーチャだろう。あの女はクラシックが好きなのか、とまたひとつ知識を得ながら、しばしのあいだ、煙が渦を巻く中で優雅な調べに耳を澄ます。
だがしばらくするうちに空腹をおぼえ、昨夜は夕食を食いっぱぐれていたと思い出した。数日は休みになることだし、突然の居候相手に必要な対処をとっていくうえでも腹ごしらえは重要だ。久々にしっかり作ろう。そう決めると、習慣によって上には何も着ないままベッドを降り、部屋のドアを押し開けてリビングへ。
弦の美しい音色が奏でられるなか、まず目に入ったのは、ローテーブルの上に並べられた、錠剤入りのボトルの数々だった。瞬間、顔がこわばり、それまでの寝起き特有の茫洋とした気分が吹き飛ぶ。大股でずんずん歩み、断りもなくそれらを手に取った己の脳裏に浮かぶのは、白目を剥いて嘔吐しながらのたうち回る女の姿だ──護衛のため迎えに行った晩、大量のMDAでオーバードーズし血反吐を吐き散らかしていた、ギャランテの男の愛人。
結局は徒労に終わった介抱、死体の処理に部屋の清掃、報告に釈明、火消し。あのときはとにかくすべてが大変だった。昨夜のペーチャの様子からはそういった方向の気配は全く窺えなかったが、しかし、まさか。ラベルの情報に目を走らせ、オピオイドやベンゾジアゼピンといった決定的な文字は見当たらないのを確認する。……どうやらペーチャの所持する錠剤は、いずれもビタミンやカルシウム、鉄分などを摂るためのただの栄養剤らしい。とはいえ、中身が本当にその通りならばの話ではあるし、これらだって大量に服用すれば危険がないとも限らない。
彼女の気配がするキッチンの方向へ顔を向けると、私物に触れたことを詫びる様子もなく、詰問するような声。)
……おい、ペーチャ。これは何のためのものだ? 何かしらの持病があるなら俺に話せ、重要事項だ。
フラグありがとうございました! 少々シリアスな反応をしておりますが、まだ彼女をよく知らない+裏社会では錠剤の悪い使い方のほうを身近に見てきた、ということでご容赦いただければ幸いです。
また、いただいた展開を受け、今後の展開について提案です。あまりガチガチに決めるのも……と思っているので、様子次第では路線変更やアドリブももちろんアリアリとしつつ、美味しいシーンを楽しむためのガイド線のようなものとしてご検討いただければと。
ここをこう変えたい、こういう展開はどうだろう、といったご要望ももちろん大歓迎です。
?シャルの料理スキル解明後のアレクは、 ①好感度がまだ高くはない ②生来の面倒嫌いな気怠い性格 という理由から、自分が食事を作ったついでに食わせる程度はするものの、彼女の食生活に干渉するか否かまではまだ決めあぐねる状態。
?しかし翌日シャルが熱を出し(※なのでもし諸々が採用の場合、季節は初秋頃?)、彼女用のベッドの取り寄せがまだできていないことから、さすがにアレクのベッドで寝かせることに。この成り行きから互いの体に触れたり、アレクの寝室に呼んだりすることへのハードルが低下。
?シャルの体調不良は極端な食生活による免疫低下だとアレクは判断。 ①アレクが仕事で家を空けることもある以上、ひとりで倒れたりするのは困る②毎食作ってやるほどの面倒は見ない という理由から、シャルに料理を教えることに。
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