語り手とは。 2021-12-24 17:30:06 |
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>シエル
ごきげんよう、魅惑の演奏家さん。特別にアタシからのチップをあげる! ねぇ、それってどうしたらそういう音が出るの? ……アナタの魔法なの?
( 久し振りに訪れた広場は、いつもとは少し様子が異なるようだった。まず耳に入ったのは、弦楽器で奏でられる不思議な音色。広場の人々が演奏者を取り囲むように集っていた。好奇心の赴くまま、ふよふよと浮遊しながら近寄っていくと、音色がより鮮明に。耳を擽るその音色に身を委ねれば、自然と心が躍るようで。広場で執り行われた音楽会、気付けばその観衆の一人として加わり、ゆったりと耳を傾けていた。そっと目蓋を閉じて、演奏に聴き入る。今すぐに踊り出したくなるような、誰かとおしゃべりがしたくなるような、そんな気分だった。──やがて演奏は終局を迎え、彼の世界から緩やかに立ち戻る。広場に広がる万雷の拍手に合わせて、彼女もぱちぱちと手を叩いた。彼の口から演奏会の終わりが告げられ、尊大とも言える大層な台詞回しも、彼にかかれば不思議とサマになっていた。本日の主演足り得る彼のもとまで羽ばたくと、彼女の両手いっぱいに抱えていた小枝を、お得意の魔法でポンッと一瞬にして花に変えてしまう。踊るように宙をくるくると浮遊すると、それが天からの祝福であるかのように、手の中の花を彼の頭上から降らせて、彼女なりのチップを送った。色彩豊かな花たちがひらりと宙を舞う。そして彼女が興味を示した先は、彼のパートナー。少しも濁りのない澄んだ音を奏でるヴァイオリンに、彼女はすっかり虜になっていたようで。手元をほとんど覗き込むように、彼女の瞳がヴァイオリンを捉えており。無邪気な子供のように質問を重ねながら、彼の周りをくるくると飛翔して )
( / はじめまして、絡ませていただきました! 同じ東の森に棲む妖精同士、互いに面識があってもおかしくないかと思いますので、初対面か既知の仲かは、背後様にお任せしちゃいますね。よろしければ同じ妖精仲間として、これから仲良くさせていただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします! )
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