政府職員 2021-12-18 01:03:44 |
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(ぎしりと床の軋む音が聞こえて初めて、此の本丸には未だ誰かが"確かに"存在している事を実感した。思えばこれ程迄に寂れた屋敷にも関わらず、誰かが掃除したとしか思えぬ程に綺麗だ。床から壁、廊下の奥へ視線を滑らせ、__斯くて此方へ歩み来る一人の少年に気付いて。白くまろい肌を撫ぜる艶やかな射干玉色の髪、近付くにつれ認識出来る紫色の双眸。そんじょそこらで御目に掛かるなぞ、先ずは有り得ぬ程に整った顔立ち。成る程此れは審神者が挙って彼に賛辞を投げる訳だ。酷く悠長な考えを巡らせながら、対峙する形で足を止めた依代に、一寸の間を置いて微笑みを一つ投げ掛けて見せ。真黒な手袋は彼自身、即ち刀に伸ばされている。如何やら歓迎はされていない様だ。ともすれば友好的とも思える彼の微笑みからは、溢れんばかりの拒絶の意が見え透いていて。頭から斬り掛かる程ではなくとも、下手を打てば殺されるかもしれない。微かな恐れに崩れてしまいそうな頬を保つが如く、一度肩を透くめてから言葉の続きを。交渉は足許を見られたら終わりだと、何処かの刀が口にしていたらしい。恐れてはいけない。努めて態度は悠然と、声は落ち着いたトーンで。)
初めまして。…なに、そう邪険にしてくれるな。何も今すぐ此の本丸ごと君__いや。諸君を壊してしまおうなんて考えてはいない。それは君の望むところではないのだろう?
無駄足かどうかは話してみらねば分かるまい。まあ、こうして君に出迎えて貰えた時点で充分な成果だと私は思っているよ。
(/此方こそ、薬研の心情を慮らざるを得ない素敵なロールに、もう序盤の方から心を奪われてしまいました…。全然似非ではないですし、個体差どんとこいですので!演じやすい様、また背後様の解釈通りに薬研を動かしていただければと思います!)
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