一見さん 2021-12-08 07:38:23 |
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>ガラシャ
【烏丸幻十朗】
…可能だと思いますが、恐れながら姫には不要かと。先ほど申し上げた通り、これは癖のようなもので人様にお教えできることではありません。…忍術に興味がおありでしたら、お役に立てるかと思われますが。
( 純粋な彼女のことだ。何かすごい技だと勘違いしているのなら重ねて訂正せねばと口を開きかけた。しかし、その表情は真剣そのもので答えに窮する。箱入り娘と聞いていたが、彼女なりに考えているのがわかる。そんな思いを無碍にすることはできない。自分には彼女の飾らない振る舞いこそ羨ましかった。彼女には他人の顔色を伺うような大人になってほしくないというエゴが、結果的に主の頼みを断る結果となった。相変わらず表情筋をぴくりとも動かさなかったが罪悪感はあるようで、その代わりにと言わんばかりの一言を付け足し。雇い主から彼女は自由奔放な少女と聞いていた。それゆえの言葉だったのだが、思っていた反応と違うことに少々戸惑う。残念、という言葉が出てきたことは気がかりだったが、改めて尋ねられる空気でもない。静かに片膝をつき、彼女の前に跪けば「御意。すべて姫の御心のままに」と深々と頭を下げる。足元の畳を見つめながら、今回の仕事はある意味で一番難しいかも知れないな、と内心で困ったように眉を下げ )
>月海
【井伊直政】
や、やんちゃ…まぁ、そういう言い方もできるか……とにかく、あの頃の俺は未熟だった。戦に譜代も外様もない。戦場で功を立てることこそが徳川にとっての最善であり、そしてそれは俺一人で成せることだと思っていた…
( 果たして自分はどんな印象だったのだろうか。男として、そして先輩として何か大事なものをなくしたような気がしたが、少なくとも自分に幻滅した様子もなく、場の空気がほんの少しでも和らいだのなら安いものだと自分を納得させた。彼女の表情を見れば、やはりもっと上手い切り出し方があったのではと挫けそうになるが、意図は伝わっているようなので、自分を鼓舞して話を続けることにする。彼女の真っ直ぐな瞳から視線を空へ向ける。当時の未熟な自分を思い出しているはずなのに不思議と表情は穏やかだった。こうして今の自分があるのも義母、主や忠勝ら大勢の将の力添えがあってこそなのだと再確認する。そして今は自分が誰かを導く立場なのだと強く痛感すれば、流れる雲を追いかける目つきがわずかに険しくなった。しかし、誠意を持って接すれば必ず伝わると信じて再び彼女を見つめ )
( / 私の方こそ遅くなり申し訳ありません…!お互い様ですのでどうか主様もお気になさらず )
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