一見さん 2021-12-08 07:38:23 |
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>ガラシャ
【烏丸幻十朗】
そのような大層なものではありません。これは…癖みたいなものです。
( 相手の表情から言外の意図を読み取る。いつの間にか身についていた処世術の一つだった。それをすごいと言われれば内心複雑で曖昧にうなずくことしかできず。彼女とは会ったばかりだが人を惹きつける魅力があった。それも自分のように長年かけて培ったものではない。生まれついてのものだろう。生まれの差だけではない何かを感じ、鉄仮面のような顔に影を落とすもそれも一瞬のこと。抽象的な言葉をなんとか理解してくれているらしい少女にうなずきを返し「影はただ主に付き従い、主に降りかかる火の粉を払うだけ…余計な干渉は一切いたしません」と先程の自分の言葉に付け加えるような形で答えた。光秀から仰せつかったのは目の前の少女の護衛と“悪い虫”がついていないか見張ることだ。何も嘘は言っていない )
>月海
【井伊直政】
それに、体を動かしていると余計なことを考えずに済む…俺も徳川に仕えてまもない頃は、ただひたすらに槍を振るったものだ。
( 独り言のようにつぶやいて愛槍に視線を移す。毎日欠かさず手入れをしているとはいえ、ところどころに攻撃を受けたときについた傷が生々しく残っている。傷は槍だけではない。鎧やその下の肌にまで及んだこともある。それらは全て己の未熟さゆえ。気丈に振る舞う彼女を見れば、やはり過去の自分を見ているような気分になる。他人を頼ることができず、一人で何とかしてみせると息巻いて義母や徳川の武将たち、ひいては主君に迷惑をかける結果となってしまった。彼女に自分と同じ道を辿ってほしくない一心で、何か気の利いたことを言おうと頭を捻る。しかし、いくら考えても女子に対する接し方に不慣れなせいで、決定的な言葉は浮かんで来なかった。観念して自分が思っていることをそのまま話そうと決心し「月海は井伊家が外様だったことは知っているか?」と、まずは取っかかりになる質問を投げかける。相手の勘がよければ、自分の言いたことが伝わるかもしれない )
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