匿名さん 2021-11-29 00:22:38 |
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(静寂が支配していた死の土地、そこへ戦車砲の爆破音を皮切りに乾いた銃声が次々と鳴り響く。アントン車の砲撃によって敵迫撃砲の2門を無力化、大きく舞い上がった砂煙の中から敵の怒号と指示を飛ばす様な声が聞こえてくる。ルーゼンは隣国ながら系譜の異なる言語を用い、発声方法が独特故に習得が困難。しかし敵が奇襲に狼狽えているのは声の調子から分かるだろう。予め戦闘態勢に入っていた此方とは異なりルーゼン側の射撃は正確さに欠け、丘に小さな砂煙を上げさせるか車輌の装甲に弾かれるばかり。そんな中、味方の射撃が遮蔽物から頭を覗かせていた敵に命中し、1人2人と数を減らしていく。だが、先手のアドバンテージはここまでである、即応の布陣を終えた敵は反撃の態勢を整え、旧文明の残骸に隠れた数名は迫撃砲の設置を終えようとしていた)
ロイゼット
「ええ、さっさと終わらせましょう」
(砲塔から響く跳弾の金属音に顔を顰めつつ、手袋の外れた手を軽く構えながら標的に目星を付ける。アントン車の突進によって正面に展開していた敵が慌てながらに左右へ散り、その隙を見逃さず後方の味方がまた1人を仕留めた。敵も痺れを切らせたらしくまだ照準も定まらぬままに設置し終えたばかりの機銃で射撃を始め、それが丁度アントン車の左右から挟み込む様に、徐々に地面へ砂煙をあげながら車体へと銃口が定められていく。"此方はお任せ下さい"と言うが早くロイゼットが車輌から離れ、左前方の遮蔽物から機銃を覗かせる敵へ向かって飛び出した。その身体は微かに黄色の光を帯びており、常人とは思えぬ速度で風を切りながら接近していく。敵機銃はそれを捉えようと標的を変えるが時すでに遅く、彼女が片手を振るった後、遮蔽物ごと機銃、そして敵の半身が切断された)
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