匿名さん 2021-11-29 00:22:38 |
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(号令に対する呼応の後、装備の擦れる音を鳴らせながら手際良く車輌へ取り付く兵達。その顔には期待と緊張が混ざっており、どこか背筋も伸びている。入れ替わりの激しい第3地上軍では実戦経験に乏しい新米兵も多く、僻地となればその具合が顕著であった。10名の騎乗を確認すれば"騎乗完了"と隊長に告げつつ、履帯型のフェンダー部へ脚を乗せ砲塔側面に身を預けるロイゼット。一般的に、指揮官クラスが搭乗する車輌には、レベルⅡ以上の魔導兵の同伴が好ましいとされている。魔力探知や火力上昇に加え、防御魔法が極めて強力である為だ。使用者の技量に作用される部分は大きいものの、並の装甲より余程信頼できるだろう)
哨兵
「少佐、お気を付けて!」
(拠点も何もない荒地では古い時代に遺された瓦礫が役に立つ。天然の見張り台、バリケード、屋根付きの寝床…。費用要らずの設備は耐久性も十分であり、荒地の数少ない利点と言えよう。ただ、それは正規軍に限らず賊にとっても同様ではあるが。今回駐留している本地点でも塔の瓦礫を見張り台としており、出発する二輌に対して上方から敬礼と共に若い兵が声を掛けてくる。副官はさて置き、隊長に対する眼差しには、多くの兵が憧憬の念を込めていた)
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