光だけ残してく、ずるいひと。｜募集

やばいね、よく考えたら私ナンバーワンホストから貢がれたってことじゃん……。
（　辛うじて耳に届いた何気ない一言、しかし私は気に留めていないように振舞うと決めている。というのも、彼が屡々口にする「可愛い」という言葉が特別な意味を持たないことは重々承知で。もう何年も一緒に過ごしているのに、今更彼の一言一句を真に受けていたらこちらの身が持たない、改めてそう自覚したのは彼が現職に就いて間もない頃だったか。なんてぐるぐると頭で考えながら、頂きますの合図と共に、合わせていた手は真っ先にトーストへと伸びて。焼き立ての食パンを齧っては思い出したかのように労いの言葉を掛けて。「今日、……っていうか昨日も、お仕事お疲れ様！やっぱ大変？この前一層お店忙しくなったって言ってたよね」かく言う自分も昨夜は締切と悪夢のせいでほとんど眠れていないのだが、そんな生活を毎日続けている彼の負担は計り知れず。雑談を交えながらも、早く高級ケーキを賞味したいのかトーストに続いてサラダと目玉焼きを交互に口に運んでは、次々と皿の上から朝食が減っていき。もぐもぐと頬張りながら、正面に座る相手に視線を合わせ返答を待って　）