使用人A 2021-11-08 23:48:34 |
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>セオドア
(予想外の反応に思わず、笑みを浮かべてしまう。面白い反応をしてくれる子だ。さっと、落ちた毛布を取ると、一歩、テトの方へと近づく。こういうことに、慣れていないのだろうか。やはり、他の令嬢達と関わるよりも数倍、彼女の方が面白い反応を見せてくれる。毛布をバサッと払った後、綺麗に畳む。わざとワインを零して、話す機会を作ったのだから、寒いみたいなことは、特にない。壁へ軽く持たれかかり
「そんなことはないさ。しかし、驚かせてしまったかな?」
そう柔らかい口調で話す。別に、使用人だから汚いことも、私生児だから卑しいことも無いだろうに、残酷な社会だ。こう、階級によって、生まれた時からその人間の全てが決まってしまう。彼女からジャケットを脱ぐように言われ、
「そうだったね、任せたよ。」
大人しく返事をしてジャケットを脱ごうと、腕を外すが、ジャケットに僅かな重みがあるのに気づき、思わず眉をひそめる。今まで気づきもしなかったが、先程の彼が入れて言ったのだろう。だとすると、中は外観はジッポライターのように見える手紙入れだ。何故、このタイミングなんだ。本当に彼のバカは、自分を楽しませる。これが無能な男を切らない理由だ。ポケットの中身を確認すると、案の定、派手に柄が掘られ、肌触りの悪い鉄の塊がある。さっと、そのジッポライターをズボンのポケットへと移す。このジッポライターのようなものは、あの男からもらったものだから、詳しくは知らないが、彼も同じものを持っている。変にこの鋭い使用人(テト)に気づかれないといいが。取り出し終えると、ジャケットを差し出し)
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