使用人A 2021-11-08 23:48:34 |
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>イヴァン
( ほんの一瞬のこと。ふいに目の前の男の視線が別の場所へと向いたことに気が付いて、無意識のうちにそちらを追う。見たことがある顔だ、それも、主人達が持っていた写真の中にあった顔だ。不躾にこちらを見続けるその姿に脳裏を過ぎる推察は、先程周りを取り囲んだ令嬢の中に意中の女性がいたとか、己の配っていたワインに興味があったか、或いは・・・この男が、あの男の知り合いであるということ。己の優秀な仲間は変わらずこの夜会で、必ず成すべきことを成すだろう。己の使用人としての使命はただ、目立たないようにこの時間を過ごすこと・・・あの場では既に叶わなかったことだが。後ろから響く靴音に、仮にあの男とこの男が知り合いだった場合の最善策を練りながら貧民街の飲み屋にも似た小さな部屋の前で立ち止まり。
「おや、その嫉妬を焚き付けたのは貴方様ではありませんか。彼女達のパーティーを台無しにするほど、使用人との火遊びは刺激的ではないと思いますよ」
あの女性たちからの評判を鑑みるに、ただ本当に好い人なのか、後暗い噂がないのか、もしくは・・・それでも良いと思われているのか、ターゲットが女性ではないということなのか。いずれにしても、血のしみにも似たワインを落とさなくては。軋む木戸を開け、
「狭い部屋ですがどうぞ。来客用でもありませんが、人は来ませんから」
と、中を見せるように小さなガス灯に火を灯し )
(/大丈夫ですよ!たまにやってしまいますよね、連投・・・お気になさらず)
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