使用人A 2021-11-08 23:48:34 |
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>セオドア
(周囲に集まる人々。その多くが女性で、大半が不倫相手。個々それぞれが、白雪姫をそのまま、生き写しだようなテオに嫉妬を向けている。会話を邪魔しない程度に流れる、柔らかい音楽はご令嬢達の心中とは反し、まるで皮肉に聴こえてしまう。先程転んだご令嬢は、テオが私の下の名を呼ぶなり、鬼の形相でこちらへ、ズカズカとマナー等忘れてしまったように進んでくる。アクアマリンのようなテオの瞳をじっと見つめながら、向かって来るご令嬢に微笑みかけると、背を向け、テオと令嬢の間に立ち
「いいんだよ。急に尋ねて悪かったね。テオ、君にイヴァンと呼んでもらえて嬉しいよ。君は、どこの使用人なんだい?よかったら、聞きたいな。」
そう更に周りを煽るような言葉を放つ。身分とは、無情だ。テオの美しさで爵位でも持っていたのなら、多くの貴族が求婚を迫っただろう。しかし、爵位のない使用人の彼女は、こうして上手く利用されてしまう。妹が成人になったら、この社交界へ立たないといけないのか。貧民街よりも下賎なご令嬢達の仕草に嫌気を感じながら、今後の妹の事を考え、小さくため息を吐いてしまい)
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