主になれなかったOL 2021-10-30 19:42:46 |
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(/背後様
早速のお返事ありがとうございました。
人間と神様ですもの、遠回りもさぞ素敵なことでしょう。
それでは、出会ったその日、その瞬間から始めさせていただければと存じます。時刻は終電が走り去った夜、仕事終わりの娘はおそらく早足に夜道を進むことでしょう。
好印象が、はたまた騒がしい娘だと呆れるかも分かりませんがどうかこれから宜しくお願いいたします)
※下記、陽より※
( 雨の日の救いといえば、お気に入りの傘を持ち出せることくらいしかないかもしれない。その日は生憎朝から小雨が降っていて、退社の時間になる頃には本降りに近付いていた。細く冷たく、小さな針が降り注ぐような雨は小さな音とともに傘の上で跳ねて地に落ちる。心持ちうるさい音を聞きながら、早足に暗くじっとりとした夜道を歩いていく。
街灯が時折ぱちりと音を立てて光る様も不気味で疲れた心に酷く堪えるものだから、嗚呼、早く帰って温かいシャワーが浴びたい…そう願っていた時だ。ぴかり、と鋭く真っ直ぐな、例えるならば割れた硝子に光が刺した時のような鋭く鈍い白い何かが視線の奥で揺れた。暗い路地の中で、そこだけがぴかりぴかりと光って居る。無視しても良かった、はずなのに、思わず足を止めて、そちらをじっと見据え…吸い寄せられるように視線はその光を追い、つい足先がそちらを向く。普段ならば絶対に、昼間でも踏み入ることのない暗い路地…足先に触れるほど、近くに寄ってみて気が付いた「…人、と、刀?」─それは現代とはあまりにかけ離れた光景だ。 )
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