主になれなかったOL 2021-10-30 19:42:46 |
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( 暗い暗い闇の底。続いているのかそうでないのかの判断もつかない程に心も身体も大きな闇に囚われた。忙しくも楽しい毎日に疑いなど覚えるはずもなく、その時はまだ己の中にある自惚れに浸り小さな綻びにも目を背けていたが心の何処かでは“それ”に気が付いていたし、警鐘が厭に煩くも鳴り響いていたのに。目の前が赤黒く染まるような何とも表現し難い感情に襲われた時、自分はなんて愚かな事をしてしまったものかと呆然としていたが、恐ろしい程に安堵もしていた。全てから解放されたという安寧の思いと自ら断ち切ってしまった罪悪感の思いとたくさんの感情が混沌し、気が付けば知らない世界に居た。親しかった者達も消え去り、どういう訳かいつの日か耳にした世界へと来たようだが酷く酷く身体が重かった。黒い雲は塗り潰したように月を隠し、消えかけの頼りない灯りだけがそっと闇と光を分け隔てる。小雨の冷たさか元より人の体温というものだけは手に入らず、身体はそれでも冷たい方の肌はそれも曖昧にさせ血に染まり綺麗とは言い難い狩衣も、長いこと小雨に降られ重く伸し掛る。傍らに最早何も斬れぬ刀、僅かに聞こえた足音に鞘に腕を伸ばすもそれを持ち上げて斬り掛かる気力は今はあまりない。視界の隅で捉えた小さな脚、鈴の音が転がるような声には不安と緊張が入り交じっていて酷く耳障りな気もしたが 「 ……───、 」 何かを伝えたかったのか拒絶をしたかったのか、掠れた声は音には成らず口元を微かに動かしただけに終わりそのまま視界が暗転するのと、意識が遠のくのに逆らえず重い瞼を閉じて )
( / とてもとても素敵なロルをありがとうございます。どんな風に文を綴ろうかと練ってみましたが数年ぶり故に駄文で纏まりもなく申し訳ない……
これからどんな風に展開していけるかとても楽しみにございますのでどうぞ宜しくお願い致します。 )
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