トラノコ 2021-10-09 01:38:13 |
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サンジ
想いを通じ合わせて、デートをして、ドキドキしながら手を繋いでキスをして、そんな触れ合いを何度も繰り返してから夜の営みに望む。テンプレートのような恋人模様だけれど少しずつ距離を縮めている様はおれ達にピッタリだと思っている。だから、こんなにも奥手になっていて笑われてしまうかもしれなかったが大切にしたいというのは本気なのだ。くそ、笑うなら笑いやがれ。そう覚悟していたのに返ってきたのは嘲笑うものではなくあやすような、寄り添って同意してくれているような上手く表現できないが、そんな風で頭を撫でられて服を取りに行くのだろう。席を立って出ていった。
扉が閉まる音を聞いてから、はぁーーー………とこれまた長い息を吐きテーブルに突っ伏す。冷静に今日一日を思い出したら調子狂わされてテンパってんのはおれだけ、だ。アイツは顔色ひとつ変えやしねェ。「おればっか、かよ…クソ……」と小さく呟いて、先ほどゾロが触れた場所を確かめるように手を置き髪をぐしゃりと握る。自分一人だけが余裕がないようで悔しくて、寂しい。まだ距離があるとはいえ恋人におれを焼きつけて、心を揺れ動かしてほしいと思うのは重い…だろうか。もう一度小さく息をついて空になった皿をまとめて、コップに酒を継ぎ足してから自分も席を立ってキッチンに戻ると皿洗いを始めた
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