トラノコ 2021-10-09 01:38:13 |
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サンジ
最後のひと口をゾロの口に運び終えてそれが飲み込まれるまで見届けるとその口からとんでもなくこの甘いムードをぶち壊すほどの露骨なセリフが飛び出してくるものだから一瞬頭の中が真っ白になった。暫しの沈黙の後、遅れて言葉の意味を消化し始めた脳は予想されるこれからを否応なしに伝えてきてじわりと頬を染め「なっ、に、言って」などと拙いものしか喉から絞り出すことができなかったがタバコが緩んだ唇から外れ、軽くサンジの手の甲を炙ることにより、ぅあっつ!と叫びつつも少し調子を取り戻すことができた。落ちたタバコを拾って灰皿で潰してから頭を抱え、大きくため息をつく。
待て待て、キスはおろか手だって繋いだことないんだぞ。もしかしてこの筋肉マリモ、恋人との愛情表現はベッドの上でってことしかないのか!?いや、最終的にはそうだし、いきなりそういう展開もなくはねェが、おれ達の場合は飛躍しすぎてねェか?そんな考えがぐるぐる巡る。もちろん想像しなかったわけではない、いつかはと考えていたことだ。どちらが下にしろ今じゃない、最初こそ肝心なんだ、大事に…してぇから。ゆっくり顔を上げて困ったように目を逸らすと
「いや、まぁ…船の中とはいえデートなんだからよ。身だしなみ気にするだろってことだ
それに、順番……違ぇだろうがよ」
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